『6才のボクが、大人になるまで。』映画鑑賞 | うさぎくんのお薦め映画ブログ

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『6才のボクが、大人になるまで。』映画鑑賞。冒頭では6歳の主人公の少年は、姉と母親と3人暮らし。母親は離婚し父親はいない。主人公は空想に耽ったり、寝る前に母親に本を読んでもらったり、姉と喧嘩したり、野山を自転車で走ったり、壁に落書きしたり、宿題を提出しなかったり、友達とエッチな本を見たりと、まあ普通の少年だ。父親のことも大好きで、姉と共に2週間に一度の父親との出会いを心から楽しんでいる。そんなある日、母親は引っ越しをすると子供たちに伝える。大学に入り直して、キャリアアップを図るのが目的だ。今の経済状況では生活するのが厳しく、もっとお金がもらえる仕事に就くためだ、という主旨のことも言い添えて。離婚、再婚、離婚を繰り返す主人公の母親。しかし、この映画の主眼は必ずしもそこにはない。少年期から、思春期、青年期前期までの主に主人公の心の軌跡を追うことにある。この映画の特異な点は実際に主人公たちを含めたすべての役者を12年間追い続け、彼らの成長ぶり(歳の取り具合)を見せる点だ。ごく自然に場面が切り替わり、少しずつ成長した(歳をとった)主人公たちを目の当たりにするのはなんだか不思議な感じがする。主人公を中心とした12年間を165分で疑似的に体験させる、稀に見る画期的な手法の映画である。特に目新しいことや劇的な展開はない。我々の人生がそうであるように。それにしても、この監督は何故このような特異な手法でこの映画を撮ったのか。それは最終盤の、ある人物の短いセリフに集約されている。ちょっと長い作品だが、お薦め。