『クロニクル』映画鑑賞。主人公は男子高校生。母は重い病で床に伏せっており、父親は粗暴で酒浸りの毎日。友達もいなく、腕っぷしも弱く、学校でも存在感の薄い男である。趣味のビデオカメラで自分の日常を撮り始めた主人公だが、ある出来事をきっかけに特殊な能力を身につけてしまう。その能力のおかげで友達もでき、充実した日々を送ることができようになった。その能力を当初は下らないことに使っていたずらするだけだったが、後半はその能力のため恐るべきことがおこってしまう。映像は基本的に全て主人公の持つビデオカメラからのPOV（主観映像）。POVはホラーでこのところよく使われる手法だが、この映画はPOVであることによってリアルな主人公達の心象風景を映し出すことに成功している。前半はおバカさん系青春物かと思いきや、中盤以降は凄まじいカタストロフィー映画と化していく。高いVFX技術も見物。思春期・青年期前期男子の奔騰する思いも見事にエンターテイメントに昇華した傑作である。お薦め。
