『ニコラス・ケイジのウェザーマン』映画鑑賞 | うさぎくんのお薦め映画ブログ

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『ニコラス・ケイジのウェザーマン』映画鑑賞。主人公は天気予報のキャスター。妻と離婚し、息子と娘は別れた妻が親権を持っている。関係を修復したいと思っている主人公だが、気持ちだけが空回りして結果はなかなかうまくいかず、むしろ悪化する一方だ。また主人公には父がいるが、父はピューリッツァ賞を受賞するほどの偉大な作家であり、そんな父に評価されたいとも思っているが、やはりうまくはいかない。一日2時間テレビの天気予報コーナーに出て、年収24万ドル。高級取りだ。しかし仕事に充実感が得られず、どこか満たされない空虚な心を抱えたまま毎日を過ごす主人公。我々は若いころは可能性に満ちており、何でもできるしどんななりたい自分にでもなれると思っている。しかし現実は必ずしも自分の思い通りにはいかず、そしてそんな自分を受け入れていくしかない。思い描いていた人生とは違うが、しかしこれが今の自分であることには変わりは無い。この作品は自分とは何者か、自分を受け入れるとはどういうことなのかを問うてくる。派手な演出は無い、地味な映画である。劇場での日本未公開だった理由もよくわかる。しかし心に静かに沁みるい実にいい映画。秋の夜長にひとり静かに鑑賞したい。お薦め。