『消えたシモン・ヴェルネール』映画鑑賞 | うさぎくんのお薦め映画ブログ

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『消えたシモン・ヴェルネール』映画鑑賞。冒頭、パーティーに集まっていた高校生たちが、森の茂みの中に死体が横たわっているのを発見する。そして場面はその10日前に遡る。シモン・ヴェルネールという名の男子生徒が行方不明になり、その後数日間のうち、同じクラスの生徒さらに2名が行方不明になるという事件が起こる。一体何があったのか。複数の視点から一つの出来事を追い、巧みに時間軸をずらす手法を用い、事実やもっともらしい噂話がいくつも錯綜しながら、真実が徐々に明らかになっていく。物語が進行していくにつれ事実だと思っていたことが実は全然違っていたということが次々と明らかになっていくが、この過程は噂や風評がどのようにして生じ、真実味を帯びて流布していくのかを見事に描いている。様々な手法を駆使して「真実」と「真実でないこと」、あるいは「現実」と「虚構」といった安定した二分法を揺るがし、我々の生きている確固とした「世界」は、実は極めて危うい均衡の上に成り立っているのだと思わしめる、ミステリー仕立てのなかなかの佳作。主な登場人物とキャラクター、および人物の相関をしっかり頭に入れておかないと、少し話がわかりずらくなるので注意。ちなみにジャケットやポスターの女性はシモン・ヴェルネールではありません。