『エレファント・ソング』映画鑑賞

『エレファント・ソング』映画鑑賞。精神科医が失踪した。失踪する前、最後に面接した入院患者マイケルに院長である主人公は話を聞く。しかし、マイケルは全く関係ない話をし始める。はぐらかし、人を試すような発言の繰り返し、真偽不明の発言、挑発、虚実入り乱れた話をするなど、あらゆる手段で主人公を翻弄する。マイケルの病名はこの映画では明示されないが、マイケルが躁的なかつ不安定な精神状態であり、言動で人を自分のコントロール下に置こうとしていることは確か。マイケルの話はどこまで本当なのか、全くの悪戯による虚言なのか、部分的には真相に繋がる内容なのか、途中から（あるいは初めから）なんらかの事実に繋がる何かを語っているのか。全く分からないまま、マイケルの語りあるいは騙りを中心に主人公は（あるいは我々は）混迷の渦に巻き込まれ、眩惑されていくことになる。果たして、真相は。そしてマイケルは何を思う？

 極めて緻密に作られた巧みな脚本。私が過去１０年間に観た映画の中でもベスト級の作品です。お薦め。

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