今日のお話

 ○  社員を育てるコーチングとは
 ○  徒弟制度という文化
 ◯  自分から変わる
 ○  コーチング実践方法(一例)
 ○  コーチングの落とし穴

  

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 クルーNo.1003 Taicyo です。
 よろしくお願いします。
 一昔前、ちょっと小洒落たお店で働き始めた(正社員)ものの3週間でパートに降格、試用期間終了で実質解雇された経験があります。即戦力を求められる職場では、人を育てる余裕はないんですよね。
 今日は、部下を育てるためのコーチングについてのお話です。




  社員を育てるコーチング

 ビジネス・コーチングとは、企業・組織の管理監督者あるいは先輩が、部下または後輩の指導育成のために行う相互の関わりを通して、対象者の目標達成・問題解決・技能向上を促進することを目的としたコミュニケーションのことを言います。


 コーチングでもっとも大切なことは、相手の自主性です。そこに指導という概念は無く、部下とは対等な立場に位置するため、部下の全業務内容を細かく理解する必要もありません。


 もし、あなたが上司・先輩・指導者の立場にあり、部下・後輩が「いつも指示を待っている」「自分からは動こうとしない」と感じているのなら、それはあなたのせいかもしれません。今まで持っていた価値観はぶち壊して、部下を変える前よりまず自分自身を変えることが必要です。


 コーチングのゴールは、部下自らが目標に向かって修正を加えつつ常に最適解の行動ができる様にすることで、あなたが教える(ティーチング)ということではないからです。


  徒弟制度という文化

 日本における会社社会も師匠と弟子の様な関係性の上下関係が一般的だと思うのですが、少し前ホリエモン(堀江貴文氏)さんの寿司職人の徒弟制度についての投稿がX(旧ツイッター)で炎上しましたね。日本の職人さん達には素晴らしい技術を持った方々も多く、匠の技というものは長い年月をかけて育て伝えられるものかもしれません。しかしそれは、どうしても職人として一人前になるんだという強い意志が裏付けとして必要で万人に通じる制度とは言えません。匠の技の継承を目的とするならば徒弟制度は有効なのですが、我々が身を置くビジネスの世界では、伝統を守るだけでは無く、スピードと高次元へ変化させ続けることが求められます。すなわちティーチングで教えてもらえる仕事は「師匠を超えられない」ということなんです。結果会社は上司の劣化版の部下で満たされてしまうことになります。


  ​自分から変わる

 指示・指導型の従前の育成方法は、指示待ち人間を育成してしまいます。そして対等な関係を構築するために普段から威圧的な態度を取らないようにすることも重要です。部下と話をする際に腕組みをしながら話を聞くのも部下に不信感を与えてしまいます。たんに腕組みだけではなく部下が失敗したときの落胆や怒りの表情・ため息などネガティブな態度は、部下に見せるべきではありません。指導的立場の上司は、自分の感情をコントロールして出来るだけ表情を変えない様にしてほしいのです。むしろそれが出来ないのでれば、指導者の資格はないと言っても良いくらいのものです。

 時代は変化していて、昔ながらの社員教育ではライバルに勝つことは出来ないのです。


 では、日本人の苦手なコーチングについて要領の一例を紹介します。


  コーチングの実践方法(一例)

 コーチングの基本は「傾聴」「質問」「承認」です。

①目標の自己評価をさせる

 「部下の目標(業務)について、自己評価をさせる」といっても、難しいことを質問するわけではありません。その目標の重要度(高・中・低)・達成の困難度(高・中・低)・自己評価(良・普通・低)の様な簡単な質問です。そしてそれを質問して言語化させて下さい。

【質問例】

   なぜその仕事を上手くいかなかったんだい?

 上手く行った要因はどこにあったと思う?

【注 意】

    初めから自分のことを的確に分析して言語化できる人のスキルは高く、常に目標を達成しているでしょう。上手く言語化できない人は待ってあげて下さい。あなたが「ここが良い・悪い」と言語化することはNGです。あなたが代わりに言語化してしまうことで部下は、自分の言葉で考えることをやめてしまいます。

 自己評価を言語化できる能力の向上とともに、部下のスキル自体も向上して行きます。


新たな目標設定をさせる。

 「部下自らに目標を設定させる」ノルマとして与えるのではなく、部下自らに目標を設定させます。人は他人から命令されたときではなく、自分で答えに辿り着いたときに行動できる。その答えはその人の中にあるとするのがコーチングの基本的な考え方です。ですから自ら目標を宣言してもらうが重要になります。

 ただし、現実的に考えて達成不可能な目標を宣言した場合、若干の修正が必要になる場合もあります。


③承認とiメッセージ

 コーチングの基本となるスキルは「傾聴」「質問」「承認」ですが、承認は相手の話を傾聴し、質問でより具体的な真相を聞き出したら、相手を受け止めて認めるというスキルです。ビジネス面では上司やリーダーに必要とされるスキルですが、部下が自主的な行動を身につけ、主体性のある考えを持てる様にするには、単純に褒めて伸ばすだけではなく、いかに認めるがが大切です。

 iメッセージは、私を主語にして相手の行動を促すメッセージで、相手の行動によって「私」がどの様に感じるかを言葉で表現し、相手が自主性を失わず承認に結びつけるテクニックのひとつです。今日の最後はコーチングを学び、部下の育成を始め出した頃の注意事項を少し伝えておきます。


  コーチングの落とし穴

①甘やかしていい訳じゃない。

 つい忘れがちな日々のコンディションニングを部下に認識させること。どんなにスキルが上がっても最高のコンディションでなければパフォーマンスは発揮できない。飲みニケーションで深夜まで酒を飲むなど問題外です。また、遅刻やルールを守らないなど毅然とした態度で指導しさなければならない場合もあります。ただし、言い訳は聞いてあげてましょう。

②部下と仲良しになってはいけない。

 人間関係を構築するために仲良しになってはいけません。また、部下とは平等な関係を保つため個別の食事などは避けた方が賢明でしょう。

③万人に有効なわけではない。

 コーチングは自ら変わろうとする本人の気持ちを後押しするものですから、もし本人がコンフォートゾーンの中から抜け出そうと言う気持ちが無く、現状に甘んじている場合は効果は限定的です。また、名刺交換の作法もままならない様な新入社員にも効果は低いため、そのようなスキルの低い場合はティーチングで、ベテランになるにつれてコーチングで対応するなどの個別対応が大切になります。

※コンフォートゾーンについてはこちらを👇


 コーチングを部下の育成に応用することは非常有効ですが、あなた自身がコーチングを体験し、自らコーチングについて学ばなければ良いコーチにはなれません。

 そして、あなたがコーチとして部下の自主性を希求すればきっと良い結果につながるでしょう。このブログはビジネスコーチングの内容をほんの少しだけ説明したにすぎません。若い皆さんが自主的・積極的に働ける環境でより良い社会を実現するためには、あなたの力が必要です。



最後まで読んでいただき

ありがとうございます。

 

 皆さんの幸せを願っています。

 

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