これはどう言う事か。先ずはコーヒーの味はどの様にして認知するものかだが、この基本はボディー(こく)、酸味、甘みをもって評価される。通常、ボディーはあればある程良いものだが、それ以外の酸味や甘みは個々人で評価が違ってくる。また、これら3項目のバランスも評価する。
これらの評価項目に、更に芳香、均一性、雑味、後味、ディフェクト(精製や保管による欠陥)を加えると、特級品であるスペシャルティーコーヒーの評価基準となるが、一級品コーヒーの複雑さ・深さはこれだけでは計れない。これが小職が感じる所では、コーヒーの味や香りの面白さなのだが、これらのコーヒーには何と、様々なフルーツや花他、多くの食べ物等を感じる事が出来る。これらの食べ物の例として、レモンやオレンジなどの柑橘類やりんご、ブルーベリーを始め、チョコレート、様々なナッツ、キュウリが含まれる。花に関しても多種多様の花の匂いがするコーヒーがある。
しかも、これらの味や香りは、一つしか含まれているのではなく、無限のコンビネーションで一級のコーヒーに存在する。例えばレモンとアーモンドの味が混在し、ハイビスカスの花の匂いがするコーヒーも有り得る。またコーヒー豆が飲み物になるまでの栽培、精製、保存、焙煎、淹れ方等の違いにもどの味や香りが際立つかに影響するので、隣同士の木のコーヒー豆でも違った味の飲み物が出来る事がある。
この物差しで中米の一級コーヒーを計ると、グアテマラのコーヒーが世界レベルでも豊富な味や香りをしている。その中でも特に人気があるのは、アンティグアのコーヒーだが、これはピカイチの酸味、甘み、ボディーのバランスを誇り、優雅な花の香りがする。これに対極的なのはエルサルバドルのスペシャルティー・コーヒーだが、グアテマラに比べて落ち着いた味や香りだが、これは必ずしもネガティブな事ではなく、確かにきらびやかに着飾った味ではないが、すっきりとした、何倍飲んでも飽きない大人の味の良くバランスがとれたコーヒーとなっている。この様に、中米の小国のたった2カ国のコーヒーを大まかに説明しただけでもくっきりと違いがある事が分かる様に、コーヒーの味と香りの世界は果てしなく広いかが理解出来ると思う。
まとめれば、一杯のコーヒーの味と香りは無限のコンビネーションの可能性を持っている、と言える。よって、一度飲んだコーヒーの味と香りは再び飲む事は無いとも言える程だ。こんなにバリエーションが多い物が単なる豆から出来るのは、コーヒーをおいて他には無いのではないだろうか。これが飲み物としてのコーヒーの魅力だ。
次回はコーヒー農園を中心とした、コーヒーを取り巻く環境の魅力を語る。