河口湖 から帰宅して「富嶽百景」が読みたくて。。。
アマゾンの中古本を注文してから
ネット上で解説かあらすじかと思い読み始めると、どうもそれが本文らしく止まらなくなって読み終えてしまいました。
本が到着する前に。(青空文庫というサイト)
購入した本には他にも短編が入っているので、まあいいのですが、って それらも青空文庫にありそう。青空文庫ってなに?
著作権が消滅した作家の本がネット上で無料で閲覧できるようになっている
閲覧ついでに、太宰の「斜陽」を覗いてみると。。。
あぁ~やっぱり読んだことがある。
お母さまがスプーンで上手にスープを飲むところ。
学生時代のことだから、もうストーリーはと聞かれても思い出せないけど、天下茶屋で太宰治に関わってから、何故かこの出だしのシーンが気になり始めて。。。
やっぱり太宰だったと知る。
デカダンスの身勝手男の「ヴィヨンの妻」や「人間失格」などは、10代の私には不愉快な本でしかなかった。
石原慎太郎の「太陽の季節」なども嫌いだったし、井上ひさしの「青葉繁れる」も読まなければよかったと思うほど吐き気がしたものです。
大学に入って外国文学ばかり読んで日本の小説を読まなくなった時期もありました。
久しぶりに太宰治を読むと、小説というより随筆じゃないかなと感じてます。
(エッセイというと英語では小論文なので紛らわしい)
そして、読み始めて吸い込まれるように没入して読んでしまうのは、やはり作家としての才能。
文章が上手く、構成も読者を引き込むようにしっかり考えられている。
「斜陽」の冒頭が今でも記憶に残っているのだから、太宰治はやはり凄い文才の作家なのでしょう。
お話を「富嶽百景」にもどすと
これも書き出しが面白いんです。
書いてある文章を映像にしやすい斜度に計算し直すと、以下の感じになります。
富士山の斜度について。広重の富士は47.5° 文晁の富士も48°くらい、北斎にいたってはその山頂は75°もあってエッフェル塔のよう。
実測では28°~31.5°だ、と。 確かに。
歌川 広重
谷 文晁
葛飾 北斎
そしてあの「富士には月見草がよく似合ふ」につながる箇所も。
何か苦しみを抱えた老女が月見草を見つけて。。。 通り過ぎるバスの中から一瞬見た月見草。その黄色い花が強く印象に残る。
私は、どてら着て山を歩き回つて、月見草の種を両の手のひらに一ぱいとって来て、それを茶店の背戸(裏)にまいてやって、
「いいかい、これは僕の月見草だからね、来年また来て見るのだからね、ここへお洗濯の水なんか捨てちゃいけないよ。」娘さんは、うなづいた。
「富嶽百景」は 天下茶屋 に9月~11月の3か月滞在して、その間に目にした人々や、作者自身に起きた重大な出来事を、宿の娘さんとの日々の関わりで淡々と綴った、趣のある作品。
この地を訪れて味わえた物語かもしれない。
あの日、目の前を通り過ぎるだけだった 天下茶屋
中に入って、太宰も食べた ほうとうを味わって、逗留した2階のお座敷を見て、そこからの富士山を見て。。。 ご縁だったのでしょうね。
お酒も、好きな出羽桜 雪漫々のような口当たりで美味しかった
黒岳からの眺望ですが
タクシーの運転手さんからもらった外国人向けの英語の地図が素晴らしくて
そこからいろいろな情報を教えてもらっています。
次は違う道から一人で登ろうと計画。今回のコースより楽で尾根伝いのトレッキングに近い。
富士吉田に魅入られてしまった。
もらった英語の地図と日本語の観光案内本