つづき
お花見の前に三の丸尚蔵館へ行ってきました。
今回は楽しみにしていたもの、見たかった物の展示がたくさんあります。
いつものように写真撮影OKなのが嬉しい。
漆器が大好きなので、その最高峰の梨地金蒔絵は見ているだけでうっとり
(徳川美術館でもたくさん見ることができます)
菊花散蒔絵 黒棚と御厨子棚 (江戸時代 17~18世紀)
お雛様のお道具に棚がいくつもあるのが不思議でしたが、とすると、これらはお嫁入道具なのでしょう、きっと。
硯箱と文台(桃山時代 16世紀)
文台と硯箱のセットも、お雛様のお道具にありますが、素晴らし過ぎる。
和歌関係のものをしまう箪笥 (江戸時代)
箏(室町時代 16世紀)
箏柱(ことじ)は紫檀で弦が当たる部分は象牙。
雅楽用の箏で、現在の箏より短めのようにも感じます。弦が絹糸なので音色は素晴らしいのでしょうね。
笙(しょう) 鎌倉時代
小さいけど、日本のパイプオルガンといつも勝手に呼んでます。
笛 平安時代(11~12世紀)
お香のセット( 江戸時代 18世紀)
お香の入った包みの絵は、全て手描き。
2個の香炉とお点前の道具
お香を聞く遊び(ゲーム)の香札(左端の黒色の木札)
茶道にもお香があるので、所作は一通り学んでますが…(忘れてる?)
茶道をお茶を点てて飲むだけと思っている人が多いのですが
七事式というのがあって、札を引いて順番を決めて、お花を生けたり
中でも花月(かげつ)は、花月用の札でくじ引きをして
点てる人、飲む人、お菓子を食べる人、何も当たらない人を決めます。
お菓子だけが何回も当たる人など、不公平この上ない面白ゲーム。
物も言わずに黙々と続けるのが本当なのですが、実際は札を取り換えて譲り合ってました
鏡 (江戸時代 18~19世紀)
この鏡もお雛飾りのお道具に似ている。お香のセットもお箏も、ここに展示されている多くはお嫁入り道具なのかしら。時代は異なるけど。
香炉(江戸時代 18世紀)
次の部屋へ移って
衝立 狩野永岳(江戸時代 19世紀)
反対側の絵
源氏物語屛風 狩野永徳(桃山時代 16~17世紀)
今回、楽しみにしていた一つ。
四季図屏風 渡辺始興 (江戸時代 1743年)
更級日記 藤原定家 (鎌倉時代13世紀)
一番楽しみにしていた更級日記。更ちゃんが書いたのではないけど。
眺めている時にそばに来たオジサマ2人が「これを書いたのは大河ドラマの藤原道長の腹違いの兄弟の、道綱の母親だよ。。。」と言ってる。あら~?
「あっ、あれは蜻蛉日記だ」と即訂正。思わず私は頷く。
「この方は地方官僚の父親に付いて田舎で育って、都に憧れて。。。そう、すがわらのたかすえのむすめです」と遠い記憶が一気に蘇って口からその名前がでてきました。
なんかその場で盛り上がって。。。
藤原定家は「さだいえ」と呼ぶとただものじゃない人に思われるって、教えてもらいました。
学校では「ていか」と習ったから「さだいえ」は耳慣れなくて誰?って感じ。
そういえば藤原行成も「ゆきなり」とルビがふってありました。
書の達人「ふじわらのこうぜい」と習ったから、こちらも「ゆきなり」って誰?に。
簾屏風 狩野常信(江戸時代 17世紀)
茶色い部分が簾になっていて、とても優雅で美しい屏風です。夏用なのかしら。。。
端まで行くと、簾から姫が見える。角度を変えても姫が見える。
係の人に聞いてみると、これは遊び心とのこと。
源氏物語屛風にあるように昔は女性を直接見ることができなかったので、こうして簾越しに眺めたそうです。
とても優雅な屏風で気に入ってしまいました。
和漢朗詠集 伝 藤原行成 (平安時代 11世紀)
古歌屏風 八条の宮智仁親王 (桃山時代16~17世紀)
北野天神縁起絵巻 (室町時代 16世紀)
実はわたし、高校生の時は国文学志望だったのです。
古文の前文は大体そらんじていて
ロンドンで源氏物語の冒頭を語った時は、綺麗ね日本語ってと拍手されました。
希望の大学を落ちて、滑り止めで合格していた別の大学の英文科に行くことに。
苦手な英語だから、全く行く気がなかったのが分かりそう。
受かっていたら、人生変わっていたでしょうね。
未だに英語が苦手で、マルチリンガルなんて別世界だったでしょう。