. 旧警備業法違憲判決(最大判令8.2.18) 事案(一言で) 被保佐人であることを理由に警備員の欠格事由と定めた規定により、知的障害のある警備員が退職を余儀なくされた
争点 被保佐人を警備員の欠格事由とする規定は、憲法22条1項(職業選択の自由
)・14条1項(法の下の平等)に違反するか 判断枠組み(規範)
∙ 職業の自由への規制は、目的・必要性・内容を比較考量して判断
∙ 立法府に裁量はあるが、狭義の職業選択の自由そのものへの制約なので、広い裁量は認められない 結論(なぜ違憲になったか)
∙ 制定当初は目的が正当で合憲だった
∙ しかしその後、成年後見制度の理解が変化(判断能力に着目したものへ、欠格条項は利用阻害と評価されるように)
∙ 事情の変化により、退職時点では規制の合理性が失われ、立法府の裁量を逸脱 → 違憲
一言でまとめると →「最初は合憲だったが、社会の変化についていけず、後から違憲になった」規制の典型例
旧優生保護法違憲判決(最大判令6.7.3) 事案(一言で) 旧優生保護法に基づき強制的に不妊手術を受けさせられた人が、国家賠償を求めた 争点 不妊手術を強制する規定は憲法13条(自己決定権・身体への侵襲を受けない自由)・14条1項に違反するか 判断枠組み(規範)
∙ 憲法13条は自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由を保障 ∙ 不妊手術=生殖能力喪失という重大な結果 → 重大な制約 結論(なぜ違憲になったか) ∙ 立法目的自体が「特定の障害者は不良」という前提で、個人の尊厳・人格の尊重に反し正当性がない ∙ 正当な理由のない強制は憲法13条違反 ∙ 対象者を区別すること自体も合理的根拠のない差別=14条違反
∙ しかも権利侵害が明白だったので、国会の立法不作為は国家賠償法上違法
一言でまとめると
→「そもそも立法目的自体が個人の尊厳に反しており、最初から違憲だった」規制の典型例
「時代とともに違憲化した警備業法」と「最初から目的が不当だった優生保護法」という対比で記憶してください。