泣かないように
悲しまないように
過ごしていたが
夜ベッドに入ると
ダメだった
堰を切ったように
明日は
パパちゃんの一周忌だと
涙が溢れた
完全に最初から
癌無治療だった
癌を患いながらも
2度パースに来た
コロナなんぞ怖くない
俺は癌なんだぞ、と
私も迷うことなく
出国許可を取り
日本へも戻った
緊急事態宣言も
お構いなしに
函館や横浜へ
最後の旅に一緒に出た
一度も入院することなく
自宅で
最後まで家族で過ごした
昼間は妹が付きっきりで
夜は、私が
最後も家族で看取った
強がりや
綺麗事でなく
パパちゃんは最後まで
本当に強かった
そして、私たちに
「死」は恐れるものでなく、
自然で穏やかで、威厳あるものだと
身をもって教えてくれた
いつも優しいポリスは、
明日は何か彼が好きだったことをしようと
したくない
パパちゃんを思い出したら、
涙が止まらなくなるから
嫌だ、と私
思い出していいんだよ、
悲しんでいいだ
涙していいんだよ、
一緒に彼を思い出そう
とポリス
次の日、仕事が終わり
こっそりパパちゃんの動画や写真を観た
涙はたくさん出た
でも笑顔にもなれた
動画の中のパパちゃんは、
私と楽しそうに冗談を言っている
何か文句を言っている
おいしいとご飯を食べている
また
時々ビデオを観ようかなぁ、と
思うようになった。
恋愛もいい
いいパートナーがいることも素敵
それでも、その相手よりも
自分の人生が
大切だと思うようになった
今、生きていることは
「奇跡」で
「死」は敵ではなく
「自然」だということ
やりたいことを
やるのです