ガルシア家の事情 1

ガルシア家の事情 2

ガルシア家の事情 3




あとがき


え~、一部PCに対して不穏当な発言があったことを心からお詫び申し上げます。


すみません! あれはあくまでブレンダの父親視線ですので!
あと、アルノーさんに関しては面白くするために結構引っ張ってしまいました。
本当は「あんな竜の尻に敷かれてる奴などブレンダに最もふさわしくない男だ」にしようか迷ったのですが、ブレンダの父親がどこまでアルノーさんのことを知っているのかなと思って、顔ネタにしました。
もう一つの理由は、父親が否定した事柄が微妙に圭さんにかぶるようにと思ったので、アルノーさんの場合顔しか思い浮かばなかったのです。
(ここで圭さんが地味な顔をしているかどうかは置いておいて(笑))
でも、竜の尻の方が面白かったかなぁ~。


このプラ・リアは、初め二話目のシーンを会話だけにして、

小ネタとして第4回リアクション前に発表するつもりでした。

(ちなみに発表しようとしていたときにある事件(ヒントはネズミ)が起き、そのまま忘れ去っていました)
だけど、マスターのリアクションでどんどん妄想が膨らんでしまって・・・。
かなり長い話になってしまったので、三分割にしました。

これでも結構話をはしょっているのですが・・・・・・。
読みづらくてごめんなさい。


ブレンダの手紙を誰が預かっていたかは、演出上の話ですので誰でも良いですし、誰も預かって無くても良いです。
アクションにも書きませんでしたし。
それから、ガルシア伯爵の物騒な未来予想図はあくまで考えているだけですので。
実行に移すことはないですよ。
・・・・・・たぶん。

ガルシア家の事情1

ガルシア家の事情2



3.
 受勲式の日、ガルシア伯爵は痛む胃を抱えながら式に参列した。
 本来なら我が娘の晴れがましい席であった受勲式だが、今やそれは忌々しい呪いの儀式に見える。
 このような式に参加している間にも、愛しい娘が駐屯地でどこの馬の骨とも分からぬ男と仲良くしているのかと思うと、居ても立ってもいられなかった。
 (そもそも女王の近衛騎士に反対の者がいらぬ事をしたばっかりに・・・・・・)
 そもそも独り立ちしたいと言ったブレンダに近衛騎士になることを条件にしたのはガルシア伯爵なのだが、その責任を他の貴族になすりつけ、血走った目で参列する貴族たちを睨み付ける。
 (そもそも女王が近衛騎士を公募にするから・・・・・・)
 自分が女王派の貴族であることも忘れて、壇上にいる麗しい女王に恨みがましい視線を送る。
 今のガルシア伯爵は、誰彼構わず当たり散らしたい気分だった。
 (そもそも一体誰なんだ! 可愛い娘をたぶらかした男は!)
 ガルシア伯爵の目に女王から勲章授けられる第三教導中隊の面々が映った。
 (あいつか?)
 ブラムス・マハトマジークをじろりと睨んで、伯爵は考える。
 (まだ第1段階とはいえ人契竜と契約した者だ。それなりに実力者だろう。・・・・・・いいや、ダメだ! あのような軽薄そうな男にブレンダはやれん)
 すでにガルシア伯爵の頭の中では、第三教導中隊の男=ブレンダが将来誓い合った男という図式ができあがっているようである。
 (それともあの子か? ブレンダとは年が近そうだが)
 次に目が行ったのはラナシュ・アヴァロン。
 (年の割には大人びた目をしている。それにどうやら賢そうだ。・・・・・・いいや、ダメだ! 報告書によるとあの者は身分が低いらしい。そのような男にブレンダはやれん)
 ガルシア伯爵の目はウェイン・ロスマリヌスへと移る。
 (あの者は確かロスマリヌス家の子息。あの者か? ロスマリヌス家なら経済的に不自由はしないはずだが)
 ジッとウェインの海の男らしく日焼けした顔を見つめる。だがすぐにブンブンと首を振った。
 (いいや、ダメだ! 海の男は女にだらしがないときく。港港に女を作るとも。そんな男にブレンダはやれん)
 最後にガルシア伯爵はアルノー・アインハルトに目を止めた。
 (あの者は確かアインハルト家の次男坊。竜と契約し騎士団に所属していたが、先の大戦で何の勲功も上げず出世の見込のない者だったが)
 ガルシア伯爵は物を測るような鋭い瞳でアルノーを見つめた。
 (・・・・・・勲章を受けるということはそれなりに才能はあったのだろう。女にだらしがないようにも見えんし、アインハルト家の長男は政界に顔が利く。経済的には決して裕福とは言えんだろうが、同じ貴族だ)
 ガルシア伯爵は深くため息をついた。
 (あの者だろうか? そもそもブレンダの手紙を預かったのはあの者に違いない。ブレンダの名前でガルシア家の名が思い浮かぶなど、貴族出身者しかいないからな。それに、あの者ならちょっとは許せそうな気がする・・・・・・)
 ガルシア伯爵の心は揺れに揺れ、ふと優しい目でアルノーを見つめそうになるが・・・・・・。
 (いいや、ダメだ!)
 慌てて頭を振る。
 (あんなモブに紛れたら見つけられなさそうな地味な顔などブレンダに最もふさわしくない男だ!)
 もはやいちゃもんとしか思えない理由を付けてアルノーも却下する。
 (よし、あの男は女王にせっついて辺境勤務にしよう。遠恋となれば、ブレンダもやがて諦めるだろう。それに他の男も、なんだかんだと理由を付けて物騒なところへ追いやろう。いいかお前ら、ブレンダに一歩でも近寄ったら、その命無いと思え)
 何とも物騒なことを考えながら、ガルシア伯爵は人が殺せるほどの殺気を視線に含ませ、4人を睨んだ。


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その頃のブレンダ。
「圭さ~ん! まったくどこ行ったんやろ、あのおっさんは。枯野の原に一緒に行こう思ったのに」


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ところで、受勲式の4人は。
「なんか妙な殺気を背後に感じるのだが」
「アルノーもか? 実は俺もなんだ」
「ブラムスも!? 誰だろう?」
「きっと反女王派ですよ。我々の受勲が気に入らないとか」
「そうかな? なんかこの場から生きて帰さんというぐらいの殺気を感じるのだが?」
「そうそう。例えて言うなら娘を取られた父親の殺気という感じかな?」
「心当たり無いぞ」
「私もないですよ」
「僕にあるわけ無いだろ」
「一体何なんでしょうねぇ」


(ガルシア伯爵はあたしに何か言いたいことがあるわけ~?(努))


                                    (おわり)

ガルシア家の事情1


2.
「はぁ。ブレンダは帰って来ないのか」
 あの娘(こ)の好物を用意したのに、とガルシア伯爵は深くため息をついた。
 手に握られた手紙は、今日首都に着いた受勲組が使いの者に託けたブレンダからの手紙だ。
 それを何度も眺めて、伯爵は尽きないため息をつく。
「駐屯地でやるべきことがあるなら仕方ないですよ」
 手紙を持って来た五男はそんな父を慰める。残念に思っているのは彼も同じだ。
「このご時世ですからね。駐屯地の守りを薄くするわけにいかないでしょう?」
「踊り子になりたいなどと馬鹿なことを抜かしていた時に比べれば、むしろ騎士としての自覚ができたと喜ぶべきです」
 次男も同じく慰め顔だ。
「そうは言ってもなぁ」
「聡い子ですからね。何かに気付いたのかも」
 三男がクスクス笑いながら、父親の前にうず高く詰まれた物を見た。その視線にガルシア伯爵もそれを見る。
 伯爵の机の上には手紙が何通も積まれ、時には肖像画も含まれていた。
 その内容はどれも、「お嬢さんに是非会わせて下さい」だ。
 ガルシア伯爵の私生児のため今までブレンダを無視してきた貴族の子弟が、今回の受勲で突然彼女に興味を持ち始めたのだ。
 その手紙や相手の素性を吟味し、ブレンダが帰って来た時に引き合わせられるよう、すでに何件かには返事を出している。
「お父さん、また手紙ですよ。今度の者は騎士団でもお勧めの者です。何せ先の大戦で・・・・・・」
「ルイス兄貴のは戦うことしか脳がない筋肉馬鹿だぜ。それより俺の方を見てくれよ。こっちの奴は・・・・・・」
 バタバタとにぎやかに長男と四男が部屋に入ってきた。
 そして次男と三男と五男の顔を見て不思議そうに首を傾げる。
「どうしたんだ? こんなところで雁首を並べて」
 長男の台詞に次男は大きくため息をついた。
「ブレンダから手紙が来たのです。受勲式には参加しないって」
「何だって!」
「何~!」
 二人は目を丸くして驚いた後、がっくりと肩を落とした。
「ブレンダに紹介しようと思って・・・・・・」
「色々探したのに・・・・・・」
 二人の様子に三男が肩をすくめた。
「やっぱり、気付いたんですね。あの子は」
「大体、兄上たちの紹介する人はどれも趣味が悪いですよ」
 兄たちの手にだらしなく垂れ下がっている手紙を奪い取って、五男が辛辣に言い放つ。
「こっちの男は大戦で活躍したとは言ってもただがむしゃらに突っ込んでいったらたまたま手柄を立てた筋肉馬鹿。こっちの男は女性に優しいと言うより女性にだらしがない色男。どちらも可愛いブレンダに紹介するどころか会わせたくもない男たちですよ」
「ジェフ。そういうお前のは、どれも外国の奴ばかりだろ。俺の可愛いブレンダをイスファルド以外の男にやる気はないぞ」
「そうだ。竜と契約している。戦うことが出来る。これは最低条件だ。女の一人も守れん者に妹はやれん」
「戦と女しか頭にない男たちの方がよほど始末に悪いですよ。それより外国の者はこの国では得られない知識や見解を持っている場合が多い。そんな人とブレンダは触れあって欲しいものです」
「まぁまぁまぁ、三人とも」
 険悪なムードでにらみ合う三人の間に三男が割って入った。
「どの方も一長一短。これという決め手はありませんよ。それよりも女性を幸せにするのは何においても経済力。私はブレンダをお金で困らせたくはないですからね」
「金持ちだったら何でも良いというもんでもないだろ、アンソニー。お前の紹介する男は皆年寄りばかりではないか」
「仕方がないでしょう。ある一定のお金を持っている者と思ったら、多少年齢が上なのはどうすることも出来ませんよ」
「アンソニー兄貴のは多少というレベルを超えてるぜ」
「そうです。私はブレンダを馬鹿と色男と年寄りには嫁がせたくありません」
「一言言っておきますよ、ジェフさん。ブレンダを外国の男にやることに関しては、ルイス兄様やブライアンさんと同じく私も反対なのですよ」
「年寄りに嫁がせることは俺も反対だぜ、アンソニー兄貴」
「色男は私も反対だ、ブライアン。それに馬鹿とはなんだジェフ。お前たちが紹介する男はどれも軟弱すぎるではないか」
「ルイス兄上の場合、ひどすぎます」
「兄さん、アンソニー君、ブライアン君、ジェフ君。いい加減にやめて下さい」
 今にもつかみ合いになりそうな四人を次男が止めた。
「言っておきますが、筋肉馬鹿だろうが、年寄りだろうが、色男だろうが、外国の者だろうが、ブレンダが勲章を受けた近衛騎士だという理由だけですり寄ってくる男こそ、ブレンダにふさわしくありません。そうではないですか?」
 次男の言い分に四人ははっとし、それからしゅんとうなだれる。そんな四人の兄弟たちを見渡して次男はさらに厳しく言い放つ。
「いいですか。これから政治上微妙な立場になるのです、ブレンダは。竜と契約するなりなんなり、それなりに名前が売れていれば今回の受勲は名誉となったでしょう。しかし、半端物の寄せ集めが突然降って湧いたように功績を挙げれば、必ずその功績を疑い嫉む者が出てきます。そのような時は、ブレンダがガルシア家の私生児だということもマイナスに働くでしょう。その時に、ブレンダを守れる男でないといけないのです」
 そこまで言って次男はすぅっと息を吸い込んだ。
 次の言葉を強調するために。
「つまり政界に顔がきく者です」
 四人はギラリと次男をにらんだ。
「お前の」
「ガイ兄様の」
「ガイ兄貴の」
「ガイ兄上の」
 四人声をそろえる。
「紹介する男は腹黒すぎるだろ(でしょう)!」
「腹黒がどうしたのです。戦える、金がある、女性に優しい、外国出身、よりも政界に顔が利く方がずっと頼もしいではないですか」
「だからって軟弱者にブレンダはやれん!」
「経済的に不自由をさせる気もありません!」
「女に冷たいのはゴメンだ!」
「外国の知識が何より必要なのです!」
「お前たちいい加減にしないか」
 お互い一歩も譲らない息子たちにガルシア伯爵は呆れ顔で言った。
「そもそもお前たちが紹介する男はどれもブレンダにふさわしくない」
 ガルシア伯爵は顔をしかめて息子たちの顔を見回す。そして誇らしげに胸を膨らませた。
「ブレンダにふさわしいのは、私のような男だ」
 息子たちは父親の顔をものの三秒眺めた後、盛大にため息をついた。
「お父さんが一番最低の男でしょう」
「そうです。戦は出来ない・・・・・・」
「政界に顔が利くと言うよりあちこち顔を出しすぎて『風見鶏貴族』の異名の方が有名・・・・・・」
「お金には不自由しませんが・・・・・・」
「有能な貴族かというと、そうでもない」
「何より・・・・・・」
 そこで五人は声をそろえた。
「女ぐせが悪い!」
「失敬な。少なくとも愛人は・・・・・・一人しか作らなかったぞ」
「そのせいでブレンダの不幸があるとは考えないのですか?」
「うぐ」
「それに、離婚すればいいという問題でもないでしょう?」
「うぐぐ」
「おかげで我が家はお金には不自由しないかもしれませんが、色々不自由していることがあるのですよ」
「うぐぐぐ」
「お袋たちへの慰謝料も馬鹿にならないしな」
「うぐぐぐぐ」
「母上の機嫌も取らなければいけないし」
「うぐぐぐぐぐ」
 息子たちに責められて、伯爵は赤くなったり青くなったり、忙しい。
 そんな父親に息子たちは情け容赦ない言葉を浴びせかける。
「ともかく」
「父さんのような」
「男は」
「絶対に」
「ゴメンです!」
 声をそろえての攻撃に、さすがのガルシア伯爵もバンと机を叩いて怒鳴った。
「う、うるさい! そもそもお前たちがここにいるのも、ブレンダが生まれたのも私のおかげだ! 文句を言うなら6人の妻と元妻と愛人・・・・・・はちょっと多いか・・・・・・まぁ、いい・・・・・・、6人の子供を抱えられるほどの甲斐性を持ってから文句を言え! ブレンダには私のような包容力のある男がふさわしいんだ!」
「包容力があればいいという問題でもないでしょう」
「そうだ! ブレンダには絶対戦える男が良いのだ」
「筋肉馬鹿はゴメンです。それよりも経済力がある男を」
「だから年寄りは嫌だって言っただろ。何よりも大事なのは女性に優しいこと。これにつきる」
「兄上のは女性にだらしがないと言うのです。外国の知識。これこそ必要な物です」
「ブレンダを外国に嫁に出す気はないですよ。政界に顔が利くことこそが重要なのです」
「お前たちは何も分かっておらん! 男は包容力だ!」
 喧々囂々と言い合う男六人。
 そんな彼らを見て、戸口に立つ者は密やかにため息をついた。
「まったく、何で喧嘩をしているのやら」
 はっと6人が振り返ると、ガルシア伯爵の五番目の妻、ソフィが立っていた。
「そもそもブレンダは帰って来ないのでしょう? だったらここで言い合ってみたところで無駄じゃないかしら?」
 男6人はソフィの言葉にお互いの顔を見合わせ、しゅんとうなだれた。
 そんな6人を眺めてソフィは悪戯っぽく微笑む。
「それに、ブレンダは花も羞じらう17歳。今頃気になる男性の一人や二人ぐらいいるのではないの?」
「え?」
 ソフィの言葉に6人の顔が凍る。
「案外、こちらに帰って来ないのもそのためだったりして」
「まさか、そんな・・・・・・」
 蒼白な顔をしたガルシア伯爵にソフィはおほほほほと扇で口元を隠しながら笑った。
「あの子はあれでも女の子ですからね。分かりませんわよ。次に帰って来る頃には、恋人の一人や二人連れて帰ってくるのではなくて? あるいは将来を誓い合った仲とか」
 ソフィはおかしそうに笑いながら部屋を出て行った。
 後に残されたのは呆然と立っている男6人。
 彼らはお互いに顔を見合わせて叫んだ。


「何だと~!!」×6


                      (3へつづく

正月の三教をネタにプラ・リアを!!

と思いましたが、なんか上手く書けませんでした。

一也君に教えてもらってたこ揚げやカルタ大会、福笑いをするのだけど、

リリアさんがおかしげな発明をし・・・

というどたばた・コメディを書こうとしたのですが。

ですので、ちょっと昔ネタの方を先に完成させました。

意外に長編になり、全3話+あとがきの予定です。

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚


1.
「何! あのブレンダに勲章だと!」
 ガルシア伯爵は驚きのあまり、椅子から腰を浮かした。
「ええ、お父さん。私も宮廷で聞いた時は驚きました」
 冷徹で知られている次男、ガイも珍しく切れ長の瞳を綻ばせて、父に頷く。
「国境のオークを見事撃退したことが…」
「父さん、ブレンダがやりましたよ!」
 バタンとドアが勢い良く開き、長男、ルイスが部屋に飛び込んで来た。
 長男は次男の顔を見ると、驚いたように目を見開いたが、やがて納得したように頷いた。
「すでにお聞き及びでしたか」
「いや、私もガイに聞いたばかりだ」
「宮廷では噂の的ですよ。兄さんはどちらで?」
 次男の言葉に長男は嬉しそうに大きく頷く。
「私は騎士団でだ。騎士団でも噂になっていたぞ。何せ半人前の訓練生が…」
「お父様、聞きましたか?」
 扉が開き、三男、アンソニーが優雅に入って来た。
 三男は、父親と兄二人の顔を見ると、優しく微笑んだ。
「報告は不要のようですね」
「そうだ。今先程、ルイスとガイに聞いたところだ」
「そうですか。僕は宮廷の貴婦人達に聞きました。先物買いの貴婦人など、鵜の目鷹の目で第三教導中隊の情報を集めていましたよ。何せ彼らだけですからね。オークを討伐できた…」
「親父、聞いてくれ!」
 バタンと扉が乱暴に開けられた。
 飛び込んで来た四男、ブライアンは兄三人を見ると鼻白んだように眉をしかめた。
「なんだ。もう知ってるのかよ」
「先程、父上に報告したばかりです」
 次男の言葉に面白くなさそうに舌打ちしたが、すぐに気を取り直したようにオレンジ色の瞳を輝かせる。
「ブレンダもやるもんだな。俺の連れがしつこくあいつのことを聞くから何かと思えば。聞くところによると、負傷者も戦死者も少ない…」
「お父さん、今よろしいでしょうか?」
 扉が静かに開けられ、五男、ジェフが顔を見せた。
 彼は兄達が揃っているのを見ると、別段驚いた様子もなく形の良い眉を上げた。
「どうやら、私が最後のようですね」
「ああ。先程聞いたばかりだ」
 父の言葉に頷くと、五男は僅かに口の端を上げた。
「すでに貴族の中では噂で持ち切りです。もちろん面白く無い貴族が大半ですが」
 そう言って、意味ありげに長男と四男を見る。
 長男と四男はムッとしたように五男を睨んだ。
 ピリリとした空気は一瞬だけ。兄達は互いの顔を見合わせて破顔した。
「さもありなんだな」
「元は彼らが撒いた種だしな」
「同情の余地は無いですか?」
 最後の五男の言葉に、近衛騎士の公募に反対である四男も頷く。
「反対なら反対で正々堂々と反対すべきさ」
「騎士団の方が近衛騎士よりも優秀であることを証明してな」
 四男の言葉に貴族派の長男も同意を示した。
「貴族の力が無いとこの国が立ち行かないのと同じように、な」
「最後の言葉には納得行きませんが」
 長男の言葉に女王派の次男が口を挟む。
「海千山千のあいつらの鼻を明かしたのです」
「ブレンダもなかなか」
 三男がその後に続く。
「やるもんですね、父様」
「そうだな」
 三男の言葉にガルシア伯爵は頷いた。
「最初、あの娘(こ)が近衛騎士に受かったと聞いた時は我が耳を疑ったが。なかなかどうして」
 ガルシア伯爵は満足そうに椅子に身を沈めた。
「このままでは本当に近衛騎士になれるかもしれんな」
「なったらどうするのです? 約束通り独り立ちするのを認めるのですか?」
「ふむ」
 三男の言葉に伯爵は顎を撫でて考え込む。
 そんな父親に焦れたように長男が口を開いた。
「それよりも、受勲式に帰って来たブレンダの祝いの方を考えましょうよ」
 その言葉にガルシア伯爵は顔を上げた。
「その通りだ。今すぐ準備を整えてくれ」
「はい」

「ええ」

「おう」
 異口同音に頷きながら、五人の兄達は部屋を出た。


                            (2へつづく

あけましておめでとうございます


旧年中は大変お世話になりました。

本年もよろしくお願いします。


ということで、物語はちょうど中盤。

ギッリギリにアクション提出を無事すませ、

何とかかんとかお正月を迎えながら、あとは今年初めてのリアクションを待つのみです。

バタバタとアクション提出して申し訳ありません、マスター。

忙しいのにアクション提出を間に合わせた方、すみません。

時間無いため整理することも出来ず、ぐちゃぐちゃアクションですが、

なんとかモブにはならずにすみそう?

それとも思いっきりモブ?



とりあえず、明日までにプラ・リアを一つ発表できるようにと目下鋭意執筆中。