個展「トモニアル展」の裏話 | aurinco days

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アウリンコの毎日

今、代官山の“ギャラリー バッカス ブン”で個展をさせていただいています。
個展は“トモニアル展 ~ドードー絵本とイラストと植物と~”です。
私が昨年12月の年末休みのギリギリ前に代々木ビレッジを訪れたとき、初めてこんな不思議な木を見ました。なんて不思議で愛嬌のある子なんだろう?って。
それから1ヵ月後、再び訪れ、たまたま“そらみみ植物園”を購入して、泣きました。
この子はボトルツリーと言って、オーストラリアにいるようなんです。でも、その実や葉は全く使い道がなくて、樹木自体も木材としては役に立たない、すかすかとしたスポンジのような作りなんだそうです。全く人の役に立つことのないというその事実と、でも彼はこんなに魅力的な愛嬌のある姿をしているじゃないかという著者の想いに涙が出ました。
そういう、人の役に立たないものや人の気にも止まらないものに私は興味を持ったり意味を考えたりするのが好きで、今まではただそれだけでよかった。

でも、今年、自分の信じることをやると自分と約束をして、いろんなことが起こって、いろんな人たちにも出会って、ただ好きでいるだけじゃなく好きなものを胸をはって好きだと言える人でありたいと思えたし、好きなものをとことん気の済むまで好きになると決めたし、そのことをいろんな人にも知ってもらって、もし同じように好きになってくれたら嬉しいなぁって思ったんです。

だから、今回の展示に合わせて書き下ろした絵本「ドードーさんときのみがきえた?」には、このボトルツリーをなくてはならない存在として描きました。
ボトルツリーは絵本中の舞台である“ドゥーベ”という星で進化しています。
ドゥーベではこの木を“ホームツリー”と呼んで、中にはいろんな不思議な動物たちが住んでるんです。動物たちはこのホームツリーなしには生きていけないんです。なぜなら、ホームツリーは“命”の象徴でもあるから。でも、この命の象徴という部分については、またいつかお話します。

この絵本には、そういう現実の部分と空想の部分が入り乱れています。
ありそうでない、なさそうである。
だから、この絵本はそら植物園の植物たちとの出会いがなければ描けなかった世界観になっているんです。絵本を描こうと思った直前にこの植物たちに出会えたのは、本当に運命的でした。

そういう経緯で今回、展示にもそら植物園の協力いただいて、イラストと植物のコラボレーションという今までに無い展示を試みたんです。
展示は10月9日までやっています。
詳細はこちらをごらんください。

そんな世界観を楽しんで頂けたらうれしいです。