時効過ぎてるじゃん…(笑) | シェフの落書きノート

シェフの落書きノート

西新宿 イタリア料理 / ワイン
aura cucina italiana

昨日の夕方、お店をオープンしてからほどなくして、ひとりの男性が訪ねてきた。

「あっ!シェフ! 昔、あのお店でアルバイトをしてお世話になりました。覚えていませんか?」

「えっ!? .... 」

「シェフがあのお店を辞められてから、ずーっと探してたんですよ~。 どこ行ってたんですか~」

「マジか!? えっ?あれから何年経つの? どこって…オファーいろいろあったから」

「あれから25年です。覚えていらっしゃらないですか?」

「そんなに? 25年って… 時効すぎてるじゃん...(笑) 今、時効ないのか... たとえば仮に俺が殺人犯で、君が刑事だったとしたら...(笑)」
例えが悪いけど...
25年てオリンピック 6回やってるわけで、とんでもなく長い時間が流れたわけだ。

彼はあの頃、高校生で私がシェフをしていたお店でアルバイトをしていたということ。

ずーっと私が働いているお店を探していたとは…
25年間も…!?
なんだかすごすぎて実感がすぐに沸いてこない。
まして、お互いに年齢を重ねて風貌も変わっているし…。

そうそう~ ソースパンやアルミのフライパンをピカピカに磨いたり、ペスカトーレの仕込みを主に担当していた元気の良い高校生がいたなぁ~。
…と思い出が少しづつ蘇ってくる。

ネットが普及してから、ようやく手がかりがつかめて辿り着いたとのこと。
ネットってあらためて凄いよね(笑)

その頃、ポケベルは持っていたけど、数年で時代が終わって手放した。
携帯電話があったわけでもなく...
ネットもないので、メールアドレスなんてものも存在しない。
住所も何度かかわっているので...
手がかりは、名前だけということになる。
Facebook もここ2~3年の話
このブログは、お店を始めた11年前からやってはいるけど、ブログに私の名前は、ほとんど登場しないはず。

「25年間も探してたって、もしかしたら、俺は君のヒーローだったってこと?」

「はい!」

… マジか…。

ヒーローって...
もっとカッコいいものじゃん(笑)
古くはスーパーマンとかウルトラマンだよ。自分がヒーローになった妄想とかしたことないから、なおさら全く実感が沸いてこない。

俺、まわりの同期より早くシェフになってたから若かったけれど...。
...っつ~か...あの頃より25年後というと
今、どんだけオッサン...爺?になったんだよ~ (T_T)
今、うちで働いているスタッフが生まれる前の話だろ...(笑)
自分ではあまり変わらないつもりでいるけれど...
やっぱり歳はとっているんだよね (T_T) (笑)

彼は、2年と数か月間そのお店で働いていたとのこと。
「俺は、厳しかったでしょ?」
...と聞くと...
厳しかったけれど、すごく楽しくて、学ぶことが多かったことなどを掻い摘んで話してくれた。

厳しくすることは人を育てるのだと真剣に思っていた時期。

パワハラのような虐めは、人を歪めてお互いの関係も健全さを失ってしまうが、人を育て向上させるにはある程度の厳しさも必要なこと。
相手の顔色を伺い、機嫌をとって叱っていたら、ただ単にナメられて何にも伝わらない気がする。
…とはいえ、今はゆるゆるかも (笑)

『去る者は追わず来る者は拒まず』

ゆえに...
以前、働いていたスタッフたちやお客様がいつの間にか友達というか家族みたいな感じになったりと、「へぇ~」と言われるようなことはたまにある。

話は少しそれてしまいますが...
実は今、人間関係の断捨離を実行しているところ(笑)
自分から言っておいて、口先ばかりの人も面倒だからなぁ。
そんな人と上手にお付き合いする自信はありません。
その人のど真ん中にストレートを投げ込んで反応もないなら、残念ですが、あまりに面倒なので... ごめんなさい m(__)m

今まで自分のほうから人間関係を断ち切るということは、あまりしなかったけれど…
ワガママすぎて面倒なだけなので、バッサリ切ることにしました。

そんな人との縁を切ると新しい出会いや再会が生まれてくるのは何故だろう。
人の縁とは、本当に不思議なものですね。


人と同じようなことをするのが嫌で…
自分のやりたいことや好きなことばっかりをやってきた。
因みに人とつるんで群れるのも嫌い。
そんな人は、日本では、とても珍しく、生息さえも危ぶまれる変人で絶滅危惧種だということもわかっている (笑)
自分がとても尊敬されるような人間だとは思えないのだが、ロックンロール的な生き方ではある (笑)

彼は、奥さまや会社の同僚の方を連れて、あらためて食事にくるそうです。
底抜けに明るくテンポのあるトークは、高校生の頃と全く変わってなかったなぁ~。

今度、再び会うときが楽しみになってきた。