いくちゃんが家にひきこもっていた時の親子の葛藤を話してくれました。
「あのときは本当につらかったんです。親は、「あんたのことを思っているからね」と言いながら学校へ行けない私を決して受け入れようとはしてくれなかった。親が、一生懸命になればなるほど、親の思い通りにならない自分を否定せざるを得なかったのかもしれません」
悲しみと怒り、彼女はそんな感情をそんな感情をのぞかせながらも当時の思いを私たちに語ってくれました。
親が思っていたのは、親が愛していたのは、目の前のいくちゃんじゃなかった。
ちゃんと朝起きてちゃんと学校へ行くすぐに立ち直ることのできるそんな理想のいくちゃんだったのかもしれません。
でも目の前の現実のいくちゃんはそうではなかった。
頭では分かっているのですが、何もできない女の子がそこにいたのです。
親が理想の子どもをイメージしすぎると現実の子どもは、勇気をくじかれてしまいます。
親は、知らず知らずの間に理想と現実の間で引き算をしてしまうからです。
あれもできていない
これもできていない
本当に何もできなかったわけです。
「理想の子どもを手放してください」
みなさんが、今しっかり向き合わないといけないのは
目の前のお子さんです。
朝起きれない
学校には行けない
しかたなくゲームばかりをして過ごしている
そんな子どもなのです。
そのみなさんのお子さんを
精一杯受け入れてあげてください。
愛してあげてください。
すべてはそこからしか
はじめられないのです。
親が現実の子どもを受け入れ始めた時、子どもは自分が愛されていることを実感します。
「こんな私でもお母さんは、受け止めてくれる」
その勇気が、子どもを動かしていくように思うのです。
みなさん
理想の子どもがいないか?
もしいたなら、いったんそれを手放すことを意識してくださいね。