ānā(アーナー: 来る)を使った文、ānā を使った過去形の文は、勿論主語が人間だけではありません。犬も猫も来ますし、バスや電車も来ます。そして手紙が来たり怒りや楽しみも来ます(はい、ウルドゥーでは「来る」んです)。
今回はそんな「人間以外が主語の ānā の過去形の文」をひとつご紹介します。
🅰️「私宛に手紙は来ましたか?」
🅱️「はい、あなた宛に手紙が来ました」
「〜宛(に、へ)」は 〜 ke nām(〜 ケ・ナーム)。
「ke だから名前(nam) は複数なのかな?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
実際は 〜 ka nām の後ろにあった筈の後置詞(多分 par)が省略されているんです(でもわざわざ後置詞を付けることはありません)。
〜 ka nām (+ par) = 〜 ke nām (par)
なので宛名が1人でも ke nām です。つまりテンプレフレーズです
私宛(の): mērē nām(メーレー・ナーム)
手紙: khat(ハト:男性名詞)
主語は「手紙(取り敢えずここでは1通)」なので動詞 āyā の変化は主語が三人称男性単数です。
↓
ānā →(三人称男性単数) āyā
↓
↓
↓
🅰️「私宛に手紙は来ましたか?」
(kyā) mērē nām khat āyā?
(キャー)メーレー・ナーム・ハト・アーヤー?
🅱️「はい、あなた宛に手紙が来ました」
あなた宛(に): āp ke nām
↓
↓
↓
🅱️「はい、あなた宛に手紙が来ました」
jī, āp ke nām khat āyā.
(ジー、アープ・ケ・パース・ハト・アーヤー)
ちなみに「来なかった」ら…
「いいえ、(あなた宛に)来ませんでした」
nahīN, nahīN āyā
(ナヒーん、ナヒーん・アーヤー)
「いいえ、『あなた宛には』来ませんでした」
含みのある返事ですねえ
nahīN, āp ke nām to nahīN āyā.
(ナヒーん、アープ・ケ・ナーム・ト・ナヒーん・アーヤー)
この to(ト)が付くと
「いろいろ手紙が来たけど、あなた宛には来なかった」とか「あなた宛には来なかったけど、私宛には来たよ」のようやニュアンスが出てきます。
手紙の他にも
荷物: sāmān(サーマーン:男性名詞)
小包: pārsal(パールサル(※) :男性名詞)
※英語の parcel
が来たとか来なかったとか応用して使えます
あぁ。「荷物」は「来る」とも言いますが「届く」とも言いますよね。
「(モノが)届く」は pahōNchnā(パホーンチュナー:語幹は pahōNch)。自動詞です。
念のため過去形の変化を書きますね。
主語が
男性名詞単数 : pahōNchā(パホーンチャー)
男性名詞複数 : pahōNchē(パホーンチェー)
女性名詞単数 : pahōNchī(パホーンチー)
女性名詞複数 : pahōNchīN(パホーンチーん)
なので
「あなた宛に荷物が届いた」は
āp ke nām sāmān pahōNchā
(アープ・ケ・ナーム・サーマーン・パホーンチャー)
となります。
ウルドゥーとイラストのLINEスタンプ作りました