前回 kōī bāt nahīN と kōī bāt hai! の説明をしました。

 

さて、この bāt。

前回説明したように matter だけでなく日本語の「話(はなし)」に近いニュアンスもあります。

 

よく使いますが、 「する」という動詞 karnā を付けた bāt karnā は「話をする」となります。

「今日先生とお話しした」というあれです。普通に。

 

「聞く」という sunnā を付けた bāt sunnā は「話を聞く」です。普通に。

「○○の話を聞く」は bāt が女性名詞なので ○○ ki bāt sunnā です。

「私の話を聞いてください」ならば mērī bāt suniyē です。

 

「じゃあ『昔話』は『古い話』だから purānī bāt だね」となると…違うんです。

※古い:purānā(プラーナ―。形容する名詞の性と数によって語尾変化します)

※形容詞の語尾変化はこちらをクリックしてください(数回に分けて説明しています)

 

確かに purānī bāt は「古い話」ですが、それは「伝説の話」「おとぎ話」という昔話ではなく「昔あったこと」という意味での「昔の話」という意味になります。そう、purānī bāt はold matter なんです。

(そういえば英語で「昔話」は old story ではなく folk tale ですね)

 

例えば「私のおばあちゃんは若い時すっごく美人で頭が良くてお見合いの話が沢山来たのよ」という、おばあちゃんが「そんなの昔の話よ」というのはこの purānī bāt を使います。日本語でも「古い話」「昔の話」「昔の事」という言い方をしますよね。

 

では「日本の昔話」といった場合の「昔話」は?というと…

この「話」は story なので kahānī と言います。

なので purānī kahānī で「昔話」となります。

(でもねー、これも日本語と同じで「誰某の昔の事」を「昔話(purānī kahānī)」と言ってもいいんです…)

 

そして。

再度書きますが、 bāt は英語の matter の意味があるので、「自分の事を棚に上げて…」の「事」は bāt です。

 

その他にもよく使われるフレーズとして kyā bāt hai?(キャー・バート・ハィ?)があります。

「一体どうしたんですか?」という意味です、一般的には。

 

似たようなフレーズで kyā huwā?(キャー・フワ―?)というのもありますが…

kyā huwā?(キャー・フワ―?)は「どうしたの?」「何が起きたの?」と一般的な意味で使います。

kyā bāt hai?(キャー・バート・ハィ?)は「何だというんだ?」「一体何でそうなったんだ?」または「一体何が問題なんだ?」と驚嘆または追及するようなニュアンスがあります。

 

ちょっと違った使い方ですが…このkyā bāt hai?(キャー・バート・ハィ?)は驚嘆の表現で「なんてことだ」「なんて凄い事だ」という時にも使います。


これら「キャー・バート・ハィ」の使用例を。


ひとつは「めぐり逢わせのお弁当」のトレーラーから(切り取りました)。


上機嫌っぽい上司(左)に「おや、どうしたんです?ニヤリニヤリ」と少しからかうように声をかける部下(右)の「キャー・バート・ハィ?」。

「キャー・バート・ハィ、sir? 今日は何とも華やいでいますねぇ(意訳)」

※直訳は「今日はとっても咲いていますね」


もう一つはやはりIrrfan 主演映画ですが「ヒンディー・ミディアム」から。

お受験で両親が面接で言うスピーチの超高尚なゴーストコピーを書いてくれた人(英語ネイティブ)の英語を聞いて母親は満足気だけど英語のできない父親はキョトン。ここは何か言わねば、と「キャー・バート・ハィ」を連呼します。「なんということだ」「素晴らしい」を連呼している感じです。


同時に「イェ・バート・ハィ」とも言います。これは

「(他人の話を聞いて)成る程、そういうことか、なるほどね」

「(自分の話を終えて)こういうことなんです」

という意味です。

そう、この「イェ・バート・ハィ」も話の終わり…聞く方も聞かせる方も使えるフレーズです。


これは短くできなかったのでそのまま貼ります。

(0:16辺りから父親のキョトン顔が始まります)


ウルドゥーとイラストのLINEスタンプ作りました