お久しぶりです。

 

さて、本題(笑)。

前回最後にもったいぶって「本当は全部教えるのですが、次回に」と書きましたが。

 

もし前回の分を読んでいらっしゃらない方は、戻って読む必要ありません。

前回読んだ方で、「あまり覚えていない」という方も、戻る必要ありません。

 

ある意味「別の話」だと思ってください。

 

ですが(笑)。

前回の最後に、英語で言うところの「I have~」という表現を説明しまして。

「I have~」の説明が出てくると、どうしてもセットで説明される表現がありまして。

その「セットで説明される表現」はいっぺんに説明するより別に説明した方がいいかな、と思い、今回説明します。

 

言語と言うのは、微妙なニュアンスの違いで〇語から×語に直訳ができなかったり、〇語のAという単語に当てはまる×語の単語はBだけでなくCという意味も含む、ということが多々あります。

 

英語で表現するところの

I have ~

 

という文のウルドゥー表現には2通りあります

使い分けは決まっているので、区別して使い方を繰り返し練習すれば問題ありません。

 

1.

「I have ~」の「~」部分がモノの場合。

日本語で言う所の「私は~を持っています」の表現。

モノ以外に、ペットや職業上所有している動物等の場合もこれです。

 

これは前回最後に説明しました。

meeree paas(メーレー・パース/私のそばには、私のもとには)~hai(ハィ)を使います。

 

I have a book ならば、book は kitaab(キターブ:女性形)なので、

meeree paas kitaab hai

(メーレー・パース・キターブ・ハィ)。

 

本は女性形ですが、meeree paas は 場所を特定しているだけなので、kitaab の性・数の影響を受けません。

これは「~」部分に何が来ても同様で、ある意味 meeree paas は「イディオム」であり「テンプレ」です。

 

I have a pen なら、penは英語のまま pen(ペン)か、qalam(カラム:筆)なので、

meeree paas pen/qalam hai

(メーレー・パース・ペン/カラム・ハィ)。

 

2.

 I have a brother という、「1人きょうだいがいます」「両親がいます」というような親族等の有無を伝える「私には~がいます」という場合

 

「私の…」を示すmeeraa を、次に来る名詞の性・数に合わせて変えます。

そして、上記のような「私のそばに~がある」という表現ではなく、直訳すると「私の~です」という表現をします。

 

実際作文してみましょう。

I have a brother(I have one brother).

 

brother は bHaaii(バーイー)。

男性形ですが、ii で終わっているので、1人でも複数でも同じ形です。

ここでは bHaaii は男性形単数なので、その前につく「私の~」はmeeraa(メーラー)です。

 

meeraa eek bHaaii hai.

(メーラー・エーク・バーイー・ハィ)

 

 I have two brothers の場合。

最後の hai(ハィ:単数)をhaiN(ハィん:複数)にして、two brothers を doo(ドー:2) bHaaiiにして。「doo bHaaii(ドー・バーイー)」は男性形名詞が複数になっているので、先程のmeeraa(メーラー:私の~)を男性複数形の meeree(メーレー)にします。

 

meeree doo bHaaii haiN

(メーレー・ドー・バーイー・ハィん)

 

もし。

「私には男の兄弟がいません」ならば、I have a brother を否定すればOK

meeraa bHaaii nahiiN hai

(メーラー・バーイー・ナヒーん・ハィ)

 

ほぼ同じなのですが。英語に直すと微妙におかしいのですが、I don't have any brother の場合。

bHaaii の前に kooii(コーイー)をつけて

 

meeraa kooii bHaaii nahiiN hai

(メーラー・コーイー・バーイー・ナヒーん・ハィ)

「私には兄弟が1人もいないんです」という感じです。

 

ウルドゥーでは「両親」という言い方が2つあります。

アラビア語から「借りた」 waalideen(ワーリデーン)

そして maaN baap(マーん・バープ)

どちらも「男性複数」扱いです。

 

…いんしゃーあっらー、「この単語」について次回別口で書きます。

 

休題閑話。

なので、もし「私には両親がいます」の場合。

「両親」という単語自体が男性名詞複数形なので、meeraa を meeree にして

 

meeree waalideen/maaN baap haiN

(メーレー・ワーリデーン/マーん・バープ ハィン)

 

となります。

 

もし「私には母がいません」ならば。

 

沢山ある「母親」という単語の中からどれを使ってもいいのですが、取り敢えず ammii(アンミー)にします。

 

ammii は女性名詞なので、meeraa を meerii にして。

母親に敬意を払って 単数の hai ではなく複数の haiN を使って。

 

meerii ammii nahiiN haiN

(メーリー・アンミー・ナヒーん・ハィん)

 

同じように「私には父親がいません」は。

沢山ある単語の中から、取り敢えずここでは abbuu(アッブー)を使ってみます。

 

「父親」に敬意を払って、meeraa を 男性名詞複数形につける meeree にして。

単数の hai を 複数の haiN にして。

 

meeree abbuu nahiiN haiN

(メーレー・アッブー・ナヒーん・ハィん)

 

3.

これを「教科書」で目にした時、私達は衝撃を受けました。

「どんな世界なんだよ、インド・パキスタンって」と。

 

「身体の部分」の有無の表現も表現2.と同じなのですが。

例文としてこういうのが載っていました(※簡略化します)。

 

meeraa sirf eek haatH hai

(メーラー・スィルフ・エーク・ハートゥ・ハィ)

 

sirf~(スィルフ~):たった~だけ

haatH(ハートゥ):手(男性名詞)

で、

 

「私には一つの手しかない」

 

でも、実際は頻度が低くでも使うんですよね。

 

逆に。

「私達は2本の手を持っている」「私は2本の足を持っている」という表現は日本語でもその他の言語でもあって、ウルドゥーでは上記と同じ表現を使うので、そんなに驚くような事ではないんですけどね…

 

では、実際これを表現してみましょう。

 

「私は2本の手を持っている(私には2本の手がある)」

2、2つの:doo(ドー)

手:haatH(ハートゥ:男性名詞)

 

haatH は 語尾がa,aa ではないので、複数形も同じ形。

「2本の手」は doo haatH。

男性形の haatH が複数なので、meeraa を meeree にして。

 

meeree doo haatH haiN

(メーレー・ドー・ハートゥ・ハィん)

 

因みに「腕」は baazuu(バーズー)で、haatH同様語尾が変化しない男性名詞です。

 

「私は2本の足を持っている(私には2本の足がある)」

「足」はpaaooN(パーオーん)で、語尾変化しない男性名詞。

なので「2本の足」は doo paaooN(ドー・パーオーん)。

 

doo paaooN が男性名詞で複数なので。

meeraa を meeree に、単数 hai を 複数 haiN にして。

 

meeree doo paaooN haiN.

となります。