AUN J のアルバム「環ル森」で僕が作曲した「サクラビト」という曲について解説したいと思います。
「桜人」とは、室町時代に作られたとされる雲隠六帖にある第三帖の本の名前です。そしてこれは平安時代中期に書かれた源氏物語の補作でもあったのですが、現在では本の名前だけが残り、内容は失われてしまいました。
その本の内容、気になりますよね。どんなストーリーなのか自分なりに想像してみました。
一本の桜を守るひとりの男の物語したいなっと思いました。彼は一人の女性を守ることと、一本の桜を守ることは同じことだと信じています。でも最愛の彼女を亡くして、その彼女が愛した一本の桜を生涯をかけて守りぬく、そんな一人の男の物語になりました。曲は冬から始まり、春、夏、秋、そして再び冬へと16小説ごとに流れるように進みます。
◉小川のそばに立つ桜を巡る風景。
それは冬の我慢する生きる力強さ。
春のひだまりで想い出す愛する人との時間。
子供たちの歓声が響く小川で遊ぶ夏の木陰の涼しさ。
秋のダイナミックな変化と愁傷。
そしてまた冬が来る。
その環る季節と、巡る人の命。
最後にはその愛する桜の木の下で、老人になった彼が息絶えるというちょっと悲しいストーリーになってしまいました。
桜人とは、桜を詠む人、桜を愛でる人、桜を待つ人、桜を惜しむ人のことを云います。
みなさんもこの曲を聴きながら大切な人を守る桜人になってください。
井上良平
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