私自身が仕事に対して未熟だったせいで勝手に病んでしまっただけでした。
それを誰かのせいにしたかっただけでした。
でも現実に、どんどん酷くなる過食嘔吐や下剤乱用、チューイングに拒食の症状生活。
私には、仕事を続ける事が限界でした。
ちなみ会社では、その頃同期の社員がいきなり音信不通になり、無断欠勤が続き・・・結局そのまま会社からいなくなってしまうという事が立て続けに起きていました。
その時私も勝手に辞めてしようと思った事もありました。
でも直ぐに辞めなかったのは、自分が薬物依存から立ち直っている姿を両親や姉達に見せたかったからです。
少しでも家族に安心してほしかったからです。
薬物依存は再犯率のとても高い犯罪です。
皆口には出さないけれど、私がまたドラッグに手を出すのではないかといつもひやひや心配しているのは近くにいて感じてました。
それなのに私が仕事を辞めたりしたら、きっと余計な心配を家族にさせてしまう。
仕事を辞めたりしたら家族をガッカリさせてしまう。
その思いでなかなか踏み出せなかったです。
<
でもある日、いつも通り会社に行く支度をしていたら、父が私にボソッと
「もう無理するな」
そう言ってくれた日がありました。
父とは顔を合わせても普段何も話さなかったので、私はすごくビックリしました。
父は父なりにきちんと生きている事を見てくれていました。
そのたった一言の言葉で、私は肩の荷が降りました。
もう頑張らなくても認めてくれてるのかな・・・と気持ちが楽になりました。
後で母から聞きましたが、父は明らかにワーカー依存になっている私の姿をみて本当は心配で心配で仕方なかったみたいです。
……そしてその頃、入院をして以来ずっと連絡を絶っていた彼と連絡を取り始めていました。
仕事の相談にいつものってもらっていました。
そして彼から、辞める勇気を持ちなさいと言われました。
絶対に「堂々と辞めなさい」と言われました。
『堂々と辞める。』
……それはきちんと退職願いを届け出しなさいという事でした。
会社の為というより私自身の為に。
これからの人生の方がずっとずっと遥かに長い。
もしこの先突然会社に行きたくなくなって、ある日勝手に会社を辞めてしまったら……。
私はずっとずっと疚しい気持ちで生きていかなければならなくなってしまう。
そのやましさから、きっと会社の近くも通れなくなります。
どこかに出かけても、誰か知り合いにあってしまったらどうしよう・・とビクビクしなければいけない。
もしかしたら会社の人が家に訪ねてくるかもしれない。
そんなビクビクした気持ちで生きていく必要はない。
だからその為には、勇気をもってきちんと辞める事を伝えて来なさいと言われました。
そして私は翌日、退職願を書いて会社に持って行きました。
そしてその1ヵ月後、私は会社を退職する日を迎えました。
引継ぎ作業も終えたので、上司に挨拶をして会社を出て行こうとした時に、もう少し待てと止められました。
その数分後には、外回りに出かけていた同期の社員達が事務所に戻ってきました。
みんなに最後の挨拶をして事務所を出ようとしたときに、上司から大きな大きな花束を渡されました。
「今までお疲れ様でした!!」・・・と、会社にいるみんなが拍手をして会社を送り出してくれました。
私は帰りの電車の中で、人の目も気にせず私はワンワンワンワン号泣しました。
家に帰り、父と母に花束を見せました。
両親はすごく嬉しそうでした。
その花束と一緒に父と二人で写真も撮りました。
私は今でも会社を辞めたことを後悔していません。
むしろあの時に辞めていなかったら、きっと私は同期のように音信不通になって辞めていたと思います。
そしてあの時背中を押してくれた彼に、大事なことを教えてくれた私の夫に、本当に心から感謝しています。