これまでコンサルタントとして研修講師をしたり、逆に会社側で研修の運営をしたり、コーチングをしたり、学習塾で生徒や保護者からといろいろな人の相談に乗ってきた中で、成功するかどうかで、間違いなく大きな差があることが一つある。

 

 

それは、言われてすぐやるかどうかだ。

 

 

すぐにやるということで、Do It Now略してDINだ。このDINのちからをどのくらい持っているかが、成功するかどうかを大きく分けることになる。どうやら多くの人にとって「すぐやる」というのは、意外と難しいらしい。

 

 

研修を受けても、コーチングを受けてもその日のうちに何かしら学んだことを実践に移せているかどうかで、その後学んだことが身につくかどうかの差ができる。これはエビングハウスの忘却曲線と同じで、学習のタイミングは、その日のうちに再度行うのが、最も忘れないで記憶に残っていくということだ。

 

 

聞いて良かったな、で終わる人がほとんどの中で、ほんのわずか実践する人がいるのが研修のあるあるだが、なんですぐに実践に移せないんだろうか。すぐにやるほうが、忘れないということは、誰でも理解していると思うが、理解することと実践することには、大きな差があるようだ。

 

 

すぐやることには、どういったメリットがあるだろう。

例えば、語学の学習をしようとして、テキストを買ってみて、スタートするのが先延ばしにされたら、テストを受けるのであれば、テスト対策の時間が無くなるし、短期間で詰め込まないといけない量が増えてしまう。だから、すぐ始めれば、それだけ長い時間をかけて、少しずつできるということになる。少しずつだから、嫌々やらずに済むので、続けられる可能性も高まるし、その分能力の向上につながる

 

 

実は、多くの人は、すぐに始めないおかげで、途中であきらめやすくなってしまう。それは、多くを短期間に詰め込まないといけなくなるからだ。だから、早めにできる範囲でコツコツやることが最も効果的だ。

 

 

これはすべてに通じることで、例えば投資であっても、短期間で少額をコツコツ運用することから始めれば、徐々にコツもつかめてくるし、大きな投資に対してもだんだんと対処できるようになり、中長期でみれば、収益を上げることが難しくなくできるようになる。ところが、短期に、一気に儲けようと思って、大きく最初から投資して、一気に失敗して損を大きくしてしまって、もう投資なんかしないと諦めてしまう。そういう人が圧倒的に多いようだ。ただ、わけもわからずいきなり大きなお金を投じるのは、投資ではなく、投機に近い。まさにギャンプルと同じだ。

 

 

なんでもそうだが、積み上げていく経験が重要な場面は数多くある。そういう場面には、年齢を重ねるほど出くわすことが増えてくる。それまで、早目に始めていて、積み上げた知見が生かされてくるのだが、DINの力がない人は、スタートが遅いから、積み上げられた知見もたかが知れたものになる。

 

 

どんな場面もDINの力は、重要だ。