社会はコミュニケーションで成り立っている。コミュニケーションで成り立っている以上、自分の思い通りに行かないことは多くなる。なぜなら自分でコントロールできないからだ。そういう時に人は精神的に不安定になる。すると苛立ったり、悲しんだりとネガティブな感情が沸き起こってくる。そういう場合には我慢することは必要になってくる。

 

 

我慢するというのは、感情を行動などにあらわさない、つまり表に出さないということだ。感情をそのまま行動に移すと、怒鳴ったり、ものにあたったり、声をあげて泣いたりということにつながってくる。これはネガティブだけではなく、ポジティブな時にも起こることであるが、感情を表に出すことによって、自分の気持ちは幾分か落ち着くのかもしれない。

 

 

だが、ほとんどの人は感情をなるべく表に出さないようにする。怒鳴ったり、物に当たったりする人だけだと社会不安になってしまうだろう。そもそも感情を行動にあらわすことで、本当に何か解決するのかといえば、それは違うらしいというのは心理学的には言われている。逆に感情が助長される場合もある。また、そういう行動をとっている人見るだけで、人は不快な感情を持ってしまうから、周りにとってもいい迷惑という話になる。

 

 

さて、なぜネガティブな感情が沸き起こってくるのだろう。昔から「金持ち喧嘩せず」という言葉がある通り、お金持ちは極力ネガティブな状況に巻き込まれないように配慮をしているし、巻き込まれることが少ない。実際にニュースでも、お金持ちで迷惑おばさんのような人は出てこない。ネガティブな感情はネガティブな行動を呼び起こすし、ネガティブな行動はネガティブな感情を呼び起こす。なので成功することをイメージしているのであれば、ネガティブから遠ざかる工夫が必要だ。だからといってネガティブな感情を押し殺し続けるというのはストレスだ。ストレスを抱えている状態は、結局パフォーマンスが高まらないから、それも良くない状態だ。

 

 

では、どうすればネガティブから遠ざかることができるだろうか。

これは「金持ち喧嘩せず」を紐解いてみると良いだろう。金持ちはなぜけんかをしないのだろうか。もちろん、一つはネガティブな状況を好まないから避けているということでもある。ただ、一方で、金持ちといわれる人たちの多くは、心がおおらかだ。おおらかであるということは、いろいろなことを受け入れる余裕があるということでもある。余裕があるから、何をされてもそこまでネガティブな感情自体が呼び起こされない。ということは、いかに心に余裕を持つのかというのが大事だということだ。では、心に余裕を持つにはどうすればよいのだろうか。それがわかればだれでも対処ができるということになる。

 

 

心に余裕を持つための第一の条件は、自分に自信を持つということだ。自分に自信があるということは、周りから言われることに振り回されない。つまり周りに影響されないということだ。周りの言動に振り回されるというのは、自分もそれに同調しなければという弱さが隠されている。

 

 

次に心に余裕を持つために必要なことは、相手に期待を抱かないということだ。相手に高い期待を持てば持つほど、不満が大きくなってしまう。不満が大きくなるとネガティブな感情が沸き起こってくるから、相手に対しては、あるがままを受け入れることが大事だ。こうしてくれるだろうとか、言わなくてもわかるだろうという期待は、裏切られるとネガティブになる。

 

 

そして3つ目は、反応的にならないということだ。一時停止ボタンを押す、と言ったり間を開けると言ったり5秒ルールといった表現など色々あるが、とにかくコミュニケーションを取る際にレスポンスを早くしすぎないことだ。特に感情が沸き起こることに関しては、一旦立ち止まることができると冷静に判断し行動できる。

 

 

余裕を持っている人の多くは、すぐに感情で反応せず、相手を受け入れる懐の深さがある。それを実現するためには、自分にしっかりと自信をもって、相手に過度な期待を抱かずに反応的にならないことだ。我慢をすることとももちろん場面によっては必要だろうが、多くはそこまで自分の感情を追い込まない工夫で対処できる。それが身につけられるかで、まわりからの評価も変わってくるから、一度自分の対応の仕方を考えてみると良い。