ルカによる福音
1・39そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。40そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。41マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、42声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。43わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。44あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。45主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」
46そこで、マリアは言った。「わたしの魂は主をあがめ、47わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。48身分の低い、この主のはしためにも目を留めてくださったからです。今から後、いつの世の人もわたしを幸いな者と言うでしょう、49力ある方が、わたしに偉大なことをなさいましたから。その御名は尊く、50その憐れみは代々に限りなく、主を畏れる者に及びます。51主はその腕で力を振るい、思い上がる者を打ち散らし、52権力ある者をその座から引き降ろし、身分の低い者を高く上げ、53飢えた人を良い物で満たし、
富める者を空腹のまま追い返されます。54その僕イスラエルを受け入れて、憐れみをお忘れになりません、55わたしたちの先祖におっしゃったとおり、アブラハムとその子孫に対してとこしえに。」
56マリアは、三か月ほどエリサベトのところに滞在してから、自分の家に帰った。
マリアの祝日に読まれる聖書箇所の中で私が最も感動するのは、このマリアの賛歌です。
マリアはガブリエルから神の子を宿したことを告げられたとき、親戚のエリザベトが高齢にもかかわらず、妊娠して6ヶ月になっていると知らされます。
自分の運命がどうなるのかという心配よりは、エリザベトのことを心配して、山里を旅してザカリアの家まで行きます。距離は130Kmから150Kmだと言われます。マリアに同伴者がいたかどうかは聖書に書かれていませんが、妊娠初期の女性に取って覚悟のいる旅だったに相違ありません。
エリザベトの「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。」という挨拶の言葉は、アベマリアの祈りの二連目になりました。
その挨拶を受けてマリアは賛歌を歌います。冒頭は日本語では「わたしの魂は主をあがめ、わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。」となりますが、
ラテン語では、“Magnificat anima mea Dominum, et exsultavit spiritus meus in Deo salutari meo” となります。
ラテン語を直訳すると、「私の魂は主を大きくする。そして私の霊は私の救い主である神を喜びたたえる」となります。
Magnificoという動詞は大きくするという意味ですが、一般に主語は神あるいは主で、主が大いなるわざを行うことを意味します。その主の大いなるわざを体験した者が主を賛美するとき、magnificatは主の大いなるわざを賛美するという意味になります。
アンブロジウスという教父は、マリアの胎内で主が次第に大きく育つのをマリアは実感として感じたと言います。そしてイエス出産後もマリアの胎に宿った神の言葉はさらに大きくなり、ついにマリアの全存在が神の言葉で満たされたとき、マリアは天に上げられたと教会は宣言します。
聖母の被昇天については、女子パウロ会ホームページをご覧下さい。
https://www.pauline.or.jp/calendariocappella/cycle0/sol_0815.php