ルカによる福音
〔ある〕6・6安息日に、イエスは会堂に入って教えておられた。そこに一人の人がいて、その右手が萎えていた。7律法学者たちやファリサイ派の人々は、訴える口実を見つけようとして、イエスが安息日に病気をいやされるかどうか、注目していた。8イエスは彼らの考えを見抜いて、手の萎えた人に、「立って、真ん中に出なさい」と言われた。その人は身を起こして立った。9そこで、イエスは言われた。「あなたたちに尋ねたい。安息日に律法で許されているのは、善を行うことか、悪を行うことか。命を救うことか、滅ぼすことか。」10そして、彼ら一同を見回して、その人に、「手を伸ばしなさい」と言われた。言われたようにすると、手は元どおりになった。11ところが、彼らは怒り狂って、イエスを何とかしようと話し合った。
イエスはルカ福音書14章5節で、「あなたたちの中に、自分の息子か牛が井戸に落ちたら、安息日だからといって、すぐに引き上げてやらない者がいるだろうか。」と律法学者やファリサイ派の人に問いかけています。
ユダヤ教の律法では「命の救済」が何よりも最優先されます。そのため、人間や動物の命が危険にさらされている場合は、安息日の労働の禁止を破ってでも救出や治療を行うことが義務付けられています。
安息日論争の物語を読むたびに、イエスが癒やした人たちのそれまでの苦しみや痛みを、律法学者やファリサイ派の人びとは「他人事」と捉えていると思います。
安息日に人をいやすイエスと、安息日にイエスを殺そうとする人々の思いが際立ちます。