マタイによる福音
〔そのとき、イエスは弟子たちに言われた。〕16・24「わたしについて来たい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。25自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを得る。26人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。自分の命を買い戻すのに、どんな代価を支払えようか。27人の子は、父の栄光に輝いて天使たちと共に来るが、そのとき、それぞれの行いに応じて報いるのである。28はっきり言っておく。ここに一緒にいる人々の中には、人の子がその国と共に来るのを見るまでは、決して死なない者がいる。」
イエスがご自分の死と復活を予告したとき、「ペトロはイエスをわきによせていさめ始めた。」と新共同訳は訳していますが、新約聖書翻訳委員会訳では、「ペトロは彼をわきへ連れて行き、彼を叱り始め……」となっています。
師が弟子を指導することがあっても、弟子が師を叱りつけることはあり得ないことです。思わずペトロがイエスを叱り始めたのは、イエスの死と復活が彼の人生の計画にはまったく入っていなかったためではないでしょうか。
イエスはペトロに向かって「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。神のことを思わず、人間のことを思っている。」と激しく、叱ります。
そのすぐ後の部分が今日の福音朗読箇所です。
イエスは弟子たちに、「わたしについて来たい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを得る。」と教えます。
「人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。」という言葉を生涯のモットーとし、その言葉を胸に世界へ飛び出した最も有名な人物は、イエズス会の創設者の一人であり、日本に初めてキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルだと言われています。