マタイによる福音

 〔そのとき、イエスは弟子たちに言われた。〕6・6「神聖なものを犬に与えてはならず、また、真珠を豚に投げてはならない。それを足で踏みにじり、向き直ってあなたがたにかみついてくるだろう。

 12人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法と預言者である。

 13狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。14しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない。」

 

 三つの教え、「豚に真珠」、「人にしてもらいたいと思うことを人に行え」、「狭い門から入れ」が連続して語られます。

 孔子の教えは「己の欲せざる所、人に施すことなかれ」、古代ギリシャのイソクラテスの教えは「他人があなたにしたら怒るようなことを、他人にしてはならない」、仏教では「自分が苦痛であることは、他人に課してはならない」、ヒンドゥー教では「自分にとって有害なことを、他人に施してはならない」という教えが知られています。

 どの教えもネガティブな教えです。

 これらの教えの裏側には、「人に迷惑を掛けられたくない」という思いがあります。

 イエスの「人にしてもらいたいと思うことを人に行え」という教えを黄金律と言ったのは17世紀のイギリスの思想家たちだと言われています。

 時代や地域、文化、宗教の壁を越えて、人類が数千年間かけてたどり着いた「人間が平和に共存するための共通の結論」がここにあるため、まさに倫理のなかの金メダル=黄金律と呼んだと言われています。

 日本では、大災害が起きると、災害復興のためにボランティアが集まるようになりました。彼らは黄金律に従っていると思います。