マタイによる福音

 〔そのとき、イエスは弟子たちに言われた。〕7・1「人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである。2あなたがたは、自分の裁く裁きで裁かれ、自分の量る秤で量り与えられる。3あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。4兄弟に向かって、『あなたの目からおが屑を取らせてください』と、どうして言えようか。自分の目に丸太があるではないか。5偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる。」

 

 マタイ福音書のイエスの山上の説教は5章から7章まで続きます。毎日のミサの福音は、〔そのとき、イエスは弟子たちに言われた〕という導入句が加えられています。

 今日のイエスの言葉がイエスの弟子たちに宛てられたものだとすると、イエスは弟子たちに非常に厳しい警告を与えていたことになります。

 「裁く」という言葉は、単に「判断する」という意味だけでなく「断罪する」「有罪と宣告する」という強い決定的な意味を持っているといわれます。

 イエスが戒めているのは、「他者を自分の基準で一方的に断罪し、排斥する態度」です。

 ペトロがイエスに、「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯したなら、何回赦すべきでしょうか。七回までですか。」と訊くと、イエスはペトロに「あなたに言っておく。七回どころか七の七十倍までも赦しなさい。」と命じました。

 このやり取りで、イエスの弟子の集団は、互いに批判して、仲間を裁いていたことが分かります。

 しかし、イエスは弟子たちを厳しく戒める一方、排斥せず、最後まで弟子たちと歩みを共にしました。