マタイによる福音
〔そのとき、イエスは弟子たちに言われた。〕5・43「あなたがたも聞いているとおり、『隣人を愛し、敵を憎め』と命じられている。44しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。45あなたがたの天の父の子となるためである。父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである。46自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな報いがあろうか。徴税人でも、同じことをしているではないか。47自分の兄弟にだけ挨拶したところで、どんな優れたことをしたことになろうか。異邦人でさえ、同じことをしているではないか。48だから、あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい。」
畏友のNさんが、「父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださる。」という御言葉にイラストをつけてくれたので額装して、寝室に掲示しています。
この御言葉を、「父である神は、悪人だと人から決めつけられる人にも、自らを善人といいつのり高ぶる人にも太陽を昇らせ、正しいと言い張る人にも、正しくないと非難される人にも雨を降らせてくださる。」とわたしは受けとめています。
「あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい。」というイエスの言葉は、実現不可能なように思えます。「完全」と訳されるギリシャ語は「テレイオス」です。
この言葉の本来の意味は、「目的やゴール(telos)に達している」、「(子供が大人に)成熟している」、「果たすべき機能を十分に全うしている」ということです。
イエスは、父である神が完璧なように、完璧な人間になれと言っているのではなく、「神があなたを造られた本来の目的(愛すること)に向けて、人格的に成熟しなさい」と言っているのだと解説されています。
それでもなお、「敵を愛する」ということ自体、人間には極めて難しいことです。確かに、難しいけれども、イエスは「敵を愛する」という目標に向けて歩み続けよと言います。
今の世の中の様子は、真逆のように思えます。