マタイによる福音

〔そのとき、〕8・1イエスが山を下りられると、大勢の群衆が従った。2すると、一人の重い皮膚病を患っている人がイエスに近寄り、ひれ伏して、「主よ、御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と言った。3イエスが手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、たちまち、重い皮膚病は清くなった。4イエスはその人に言われた。「だれにも話さないように気をつけなさい。ただ、行って祭司に体を見せ、モーセが定めた供え物を献げて、人々に証明しなさい。」

 

 マタイ福音書は、イエスの説教と力あるわざが交互に配列されています。山の上で力強く教えを宣べられたイエスは、山を下り、力あるわざを行います。

 その最初が「重い皮膚病を患っている人」の癒やしです。

 

 レビ記は、「重い皮膚病にかかっている患者は、衣服を裂き、髪をほどき、口ひげを覆い、『わたしは汚れた者です。汚れた者です』と呼ばわらねばならない。この症状があるかぎり、その人は汚れている。その人は独りで宿営の外に住まねばならない。」と規定しています。

 

 この病人は、イエスに近寄ることは禁じられているのです。しかし、決死の思いでイエスの前にひれ伏し「主よ、御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と願いました。

 

 「イエスが手を差し伸べてその人に触れ、『よろしい。清くなれ』と言われると、たちまち、重い皮膚病は清くなった」のです。

 

 イエスはこの病人の汚れを身に負ったのだと思います。

 

聖イレネオ司教殉教者については女子パウロ会ホームページをごらんください。

https://www.pauline.or.jp/calendariosanti/gen_saint50.php?id=062801