マルコによる福音 6:7-13
〔そのとき、イエスは〕十二人を呼び寄せ、二人ずつ組にして遣わすことにされた。その際、汚れた霊に対する権能を授け、旅には杖一本のほか何も持たず、パンも、袋も、また帯の中に金も持たず、ただ履物は履くように、そして「下着は二枚着てはならない」と命じられた。また、こうも言われた。「どこでも、ある家に入ったら、その土地から旅立つときまで、その家にとどまりなさい。しかし、あなたがたを迎え入れず、あなたがたに耳を傾けようともしない所があったら、そこを出ていくとき、彼らへの証しとして足の裏の埃を払い落としなさい。」十二人は出かけて行って、悔い改めさせるために宣教した。そして、多くの悪霊を追い出し、油を塗って多くの病人をいやした。
イエスはご自分の宣教活動を広げるために十二人を二人ずつ組にして遣わし、ご自分の権能を分け与えました。イエスが命じたとおりに「杖一本のほか何ももたず、パンも、袋も、帯の中に金も持たず」に弟子たちは出かけたのだろうかと疑問に思っていました。
何年か前、サティシュ・クマールさんのことを知り、現実にそうしたことがあり得ると納得できました。明治大学の辻新一氏は次のように、サティシュ・クマールについて語ります。
サティシュ・クマールは1936年、インド、ラジャスタン地方の村でジャイナ教信徒の両親のもとに生まれた。父の死を契機に、死がもたらす悲しみを超える道を模索し始めたサティシュは、9歳にして出家、ジャイナ教の僧団に入る。
しかし、18歳の時、マハトマ・ガンデイーの非暴力平和の教えに魂を揺さぶられ、還俗を決意。その後、ヴイノーバ・バーヴェ師のもとで社会変革運動に携わった。
1961年、90歳の哲学者ハートランド・ラッセルが、核廃絶を求める座り込みで逮捕されたというニュースに触発され、サティシュは友人とともに、当時4つあった核保有国(ソ連、フランス、イギリス、アメリカ)の首都へ、平和のメッセージを届ける平和巡礼に旅立つ。2年半かけて、1万4千キロの道を一銭も持たずに歩き通した。
この実話は、イエスが十二人を派遣した物語の信ぴょう性を裏付けます。十二人の働きはやがて初代教会の実践へとつながります。
それにしても唯一の被爆国を標榜しているのに、今年1月に発効した国連の核兵器禁止条約に批准せず、アメリカの核の傘を頼りにする日本政府とその支持母体のあり方は、被爆者たちの悲しみを増しているだけだと思います。