司は吐き捨てるように言ってから、
イラついた様子でタメ息ひとつついて
あたしの方を向いた。

【俺、あのとき言ったよな。】



司の金色の瞳と目を合わせる

【お前はまっすぐ俺だけ見てりゃいいって】

ドキリと鼓動がした。

【よそ見して
余計なこと考えてんじゃねーよ。】

司はこうやって

いとも簡単にあたしの心をぐるぐる巻きにして縛ってしまう。

「はい」

レオさんと別れて、司の手を取った。

【ほんとはさ、すごく不安になった】

「えっ?」

歩きながら突然はなし始めた司の声が小さくて、駆け寄って体を寄せた。

【まなのことで、頭がいっぱいになった】

あたしの手を握る手に、力がこもる。

【そういうことが今までなかった】


「つ…」
司と呼びそうになって、恥ずかしくて飲み込んだ

【それで、しばらく会わないで触れずにいたら戻ると思った。】

うん…

綺麗な横顔が、寒そうに震えてる。

【自分が自分じゃなくなるみたいな
感じがして、あせった】

「だから、無視してたの?」

そっとうなずく。

「いいよ。あたまいっぱいにしてよ」

背伸びしても、到底耳元には届きそうもない

ぐっと腕をひっぱって、やっと肩。

【そーいうわけにいかねえよ】

近づいたあたしのくちびるに、
司のくちびるが軽く触れたら。

【こんなとこでどーすんだ、
止まんねーよ】