滝島先輩に電話。

そう考えただけで指先が震えた。
電話をまともに持てない

あんなに冷たくされたあとで、
どのつらさげて連絡できるの?

それでも、持てる勇気をふりしぼる。

心臓が激しく脈打って、体ごと震えてしまう。

長いあいだ呼び出して…

たまらなくて切ってしまう。

やっぱり無理だ…

それでも頑張ってもう一度鳴らしたら、
今度はワンコールで出た。

『はい』

くちびるも震えて、舌先が固まる。
声が出ない。

黙っていたら

『なんだよ、電話なんかしてくんじゃねーよ』と低く言われた


あ…

やっぱりだめか。そんなふうに言われたら
もう…

「…ごめんなさい、あの、」

あきらめて切ろうとしたら、

『用があるなら手短に言えよ』と言ってくれた。

なんて言えばいいんだろう。

「先輩にお願いがあります」

どう伝える?
ぎりぎりまでことば選びをする。
頭がパンクしそう。

『なんだよ』

「滝島先輩、あたしを」





『早く言えよ』

「あたしを抱いてください」

言って、すぐに切った

それ以上はとてもつなげていられなかった。

それから
火照る頬を両手で包んだ。