すぐに視覚障がいをお持ちの方だと分かったのと、手探りをしておられる付近には改札も地下道も何もないので、お困りなのではないかと思い、
お声をかけさせていただいた。
「何かご案内できることはございませんか?」
と申し上げたら、
なんでも、電車を乗り過ごしてしまったので、反対側のホームに行ってひとつ手前の駅に戻りたいとのこと。
あー、それなら、わたしも同じ方面の電車に乗ろうとしているところなので、一緒に行きましょう。
反対側のホームに行くには地下道にいったんおりて、くぐると出られますよ、と伝え、その方と手をつないで一緒に地下道をおり始めた。
どうも全盲の方のようだ。
わずかの視力もない様子に見受けられた。
わたしは、
もうすぐ階段が始まります、とか、
あ、あと二段で踊り場です。とかお伝えしたが、
その方は杖をたよりに、階段の始まりと終わりを的確に捉えて、一歩一歩しっかり歩いておられるので、正直すごくかっこいいなぁと思った。
わたしは、視覚障がいの方の誘導をさせて頂くのは初めてで、何をどう伝えれば安心して歩いて頂けるのか、はっきりしない中の誘導で、逆に不安にさせてしまってはいないか申し訳なさがあったが、
無事、反対側のホームに着き、一緒に電車がくるのを待った。
その方は私の左手を強く握って、そして強く上下に振りながら笑顔で、
「ありがとう!ありがとう!やったやったー!貴女のおかげ!ありがとう!」
と言って下さった。
電車がくるまでは、わずかな時間であった。
電車が到着し、乗り込み、隣の駅までは二分足らずだった。
電車がとまり、ドアがひらいた。
「改札まで一緒に行きますよ!」
と申し出たが、大丈夫!と仰ったので、
そうですか?改札は左ななめ前方です。
とお伝えした。
電車のドアはしまり、動き出す車両の中から、わたしはその方が無事に改札へ入っていくところをなんとか見届けた。
お元気で!
とその方の背中に、心で呼び掛けた。
その方とのご縁に、何を感じたかといえば、
わたしを信じてくれてありがとう。
ということだ。
知らない他人のつたない誘導は、不安だったんじゃないかと思うが、
私を信じて下さったことに感謝します。
本当に本当に、ありがとうございます。
信じてもらえた喜びって、
深いよ。
私たちは、一人一宇宙を生きていて、
同じ地面を踏みしめながらも、感じ取っている地面の感覚、あるいはこの世界は、一人一人、それぞれ全くの別物なのかもしれなくて、
隣の人が何を感じているかなんて、
本当には分かりっこなくて、
でも、相手に寄り添おうとしてみるところ、
信じようとしてみるところから、
縁は始まるんだな。
つながり合えるんだな。
って、教えて頂いた気がする。
握った手のぬくもりは、ほんとに忘れないよ。
一期一会だね。
ぬくもりが、心に残ったよ。
今夜は納豆そして生の豆苗をモシャモシャ食べた。
昼は、赤坂で稲庭うどん食べた!
ぶっかけ冷やし肉味噌ナスうどん

つゆをぶっかける前の写真ね。