1947 年、英国エリザベス王女とギリシャ及びデンマーク王子フィリップ王子（婚約を期に称号を放棄）正式に婚約が発表され、1947年11月20 日にウェストミンスター寺院で結婚式が行われ、結婚式同日、フィリップ王子がエディンバラ公爵の爵位を得ました。王女21歳、王子26歳でした。
Wedding dresses of the royal couple
1947年のウエディングドレスはアイボリーシルク製で、アメリカから取り寄せた10,000個の真珠が縫い付けられ、クリスタルで飾られています。トレーンは４メートルほどの長さ！イギリス王室御用達の デザイナー、ノーマン・ハートネル氏が手掛けました。
このドレスのデザインで重視されたのはファッション性だけではなかったのだそう。
第二次世界大戦が終結して間もなかったこの時期、戦勝国のイギリスでも食料や衣服は依然として配給制で灰色の時代した。そこでハートネル氏は、ウェディングドレスに豪華な装飾を施さず、代わりに春の草花をイメージした刺繍をあしらうことで、国家再生のメッセージを託そうと考えたとか。 エリザベス女王は洋服の配給切符を集めてウェディングドレス を作るための布を購入したと言われています。
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結婚式には約2,000人が招待され、ふたりは2500ものウエディングプレゼント、1万の祝福の電報を受けました。BBCレディオによって世界中の200ミリオンの人々が結婚式の様子をラジオ放送で聴きました。
ラジオというと第二次世界大戦中、エリザベス王女はラジオ放送で、イギリスおよび子供たちの士気を高めました。一方第フィリップ王子は英国軍人として地中海艦隊に配属され終戦を日本近郊で迎えます。
Princess Elizabeth's wedding slippers
ご存じのとおり、エリザベス王女とフィリップ王子が初めて出会ったのは 1934 年ケント公爵と又従妹にあたるギリシャ王女マリナ（ゲオルギオス1世の孫、エディンバラ公フィリップの従姉）とウェストミンスター寺院で結婚式でエリザベス王女が 8歳のことでした。しかしエリザベス女王はのちにこの時のことは記憶になく、1939年13 歳の時に18歳のフィリップに再会し一目ぼれ、テニスコートのネットでジャンプ遊びをして楽しみ、そのテニスネットを飛び越えてみせてくれた姿に恋に落ちたと宣言。フィリップは、イギリス海軍の士官候補生になっており文通を始めます。
First encounter: Naval cadet Philip plays croquet with 13-year-old Princess Elizabeth at Dartmouth College in 1939
フィリップは終戦後の1947年2月イギリスに帰化、軍務を継続するために母の実家の家名である「マウントバッテン」（Mountbatten：Battenbergを英語化したもの）を姓として選択。ギリシア正教会からイギリス国教会への改宗を行い、さらにギリシャおよびデンマークの王子の地位を放棄することを宣言。エジンバラ公フィリップ殿下はスコットランドのバルモラル城を散策中に、エリザベス王女にプロポーズ。1947年エリザベス王女の念願は成就し結婚を迎えることに。
フィリップ殿下は母プリンセス・アリスのティアラからいただいたダイヤモンドを使いエリザベス女王への婚約指輪をデザインし捧げました。エリザベス女王はどのジュエリーよりもこの婚約指輪が特別にお好きだそうで、気分を害されたりすると常に身に着けているこの指輪をくるくる回すという癖をお持ちだとか。
また一途な想いを抱いていたフィリップ殿下からウェディングギフトとしてプレゼントされたメタル製のメイクアップケースは60年間大切に愛用されているそうです。
（マルタで）
ハネムーンはハンプシャーにあるフィリップ殿下の母方の叔父、初代マウントバッテン・オブ・バーマ伯爵ルイス・マウントバッテンのBroadlandsの邸宅で過ごしました。その後ふたりは結婚後の数ヶ月間を当時英国領だったマルタで過ごします。
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ウェディングケーキの材料もオーストラリアのガールスカウトにプレゼントされたのだとか。オーストラリア人女性によるレシピで作られた特大のケーキの高さは9フィート、重さ500ポンドもあったとか。エジンバラ公フィリップ殿下が切り分け、4層のうち1層はチャールズ皇太子の洗礼式の時まで保管され、残りは感謝の印としてオーストラリアへ贈られたといわれています。
west door of Westminster Abbey, London after their wedding.
1952年ジョージ6世が崩御、1952年2月にエリザベスが即位。16 か月後の1953年6月2日戴冠します。
8,000 人のゲストが待つ中、エリザベス女王がウェストミンスター寺院に到着すると、女王の戴冠式を締めくくる宗教儀式が始まりました。
きらびやかな国王の戴冠パレードはそれ以前も国民の喜びでしたが、エリザベス女王の戴冠式は、当時の最新メディアである テレビで放映されることとなりマスメディア史上重要な瞬間となりました。
戴冠式は神聖なものであり一般市民へTVで公開するのは王室スタッフも大反対でウィンストン チャーチル首相も撮影を望みませんでした。しかし新しいものの流れに敏感であったフィリップ殿下は断固公開すべきだと主張。女王もフィルムに収めるべきだと考えました。
1952年当時テレビがあったイギリス家庭は 3 分の1でしたが、女王の戴冠式を見たいという需要は非常に高く、16か月の準備期間中、BBCは報道の増加に取り組み、テレビの売り上げも急増します。実際にイギリスでのテレビ視聴者は 2,000 万人（人口の 40%）となり、1953年当時以前戦争の傷跡があり砂糖とお肉は配給でしたが、若い女王の戴冠式は英国の輝かしい未来へ再スタートとなったそうです。
その後もフィリップ殿下は協定を結びながらエリザベス女王一家のプライベートな様子を撮影することを許可しました。TVや新聞などのメディアで取り上げられる生活のごく一部だけですが、60年前は詮索すら許されなかったのですね。
フィリップ殿下が強行してくださったおかげでロイヤルの戴冠式や結婚式などを一般市民に公開する流れとなったのですね。
新しいテクノロジーを取り入れながら全身全霊を国家・国民に捧げている90歳の女王を支えているのは、（13歳のとき恋に落ち今も恋している男らしく、頑固でとても正直で少し風変わりな）フィリップ殿下だと女王も語っています。
New photo released by the British Royal Family on the occasion of Queen Elizabeth II’s 90th and Prince Philip, Duke of Edinburgh’s 95th birthday.
かっこいい（90歳＆95歳）女王様のいつもお隣にはフィリップ殿下が！
2016年6月、エリザベス2世女王が90歳を迎え、女王の公式住居であるバッキンガム宮殿では、この夏の一般公開に合わせ、女王のワードローブ展を開催します。展示には、女王が1947年に着たウエディングドレスと、1953年に着た戴冠式用のドレスも含まれるそうです。デザインはともにノーマン・ハートネル卿。イギリス王室の婚礼で使用されたドレスにはそれぞれ、当時の世相が色濃く反映されているのだとか。
Queen visits Tower of London
エリザベス女王 キャサリン妃ウエディングドレス展示会は「（立体展示が）気味が悪い」→●
女王様90歳公式誕生日＆殿下95歳を迎えた記念に6月は英国王室のご紹介が増えております。
殿下カテゴリーを作りたくなってきました(^^♪