【英国王室】エリザベス女王 2015クリスマスのメッセージテロ犠牲者の冥福を祈る＆キャサリン妃

2015年12月25日、英国のエリザベス女王（８９）は国民に向けた恒例のクリスマス演説で、世界各地でテロが相次いだ今年１年を「暗闇の時」と振り返り、世界は、時として暗闇に直面せざるを得なかった」と述べ、難民の窮状に注意を喚起しました。　

Queen Elizabeth II sits at a desk in the 18th Century Room at Buckingham Palace, after recording her Christmas Day broadcast to the Commonwealth

バッキンガム宮殿（Buckingham Palace）で事前録画された動画メッセージで、白と銀のドレスを着たエリザベス女王はクリスマスツリーを背景に　「今年はまさに、世界が暗闇の時に直面した年でした。しかし、（聖書の）『ヨハネによる福音書』には、『光は闇の中で輝き、そして闇は光には勝てない』という素晴らしい希望の一節がある」と語り、「暗闇を呪うよりも、ろうそくに火をともす方が良い」とアメリカのエレノア・ルーズベルト大統領夫人の言葉を引用し、来年が明るく輝く年になるよう祈りました。

また、「シリアでの戦闘が早急に停止され、非人道的な状況に苦しむ人々に癒やしが与えられるよう」祈りを捧げました。

女王はまた、イエス・キリスト（Jesus Christ）の生誕にまつわる話を引用し、難民の窮状にも言及。「ヨセフとマリアにとって、馬小屋でのイエスの誕生は理想とは程遠いものだった。その後、事態は悪化し、一家は国から逃亡せざるを得なくなった」「この人間的な物語に世界中のキリスト教徒たちが今も心を動かされるのは、不思議ではありません」と述べました。

エリザベス女王の横に置かれた机には、今年7月に撮影されたウィリアム王子（Prince William）とキャサリン妃（Catherine, Duchess of Cambridge）、ジョージ王子（Prince George）とシャーロット王女（Princess Charlotte）の一家4人の写真と、2005年のチャールズ皇太子（Prince Charles）とカミラ夫人（Camilla, Duchess of Cornwall）の結婚式の写真、女王自身と夫のフィリップ殿下（Prince Phillip）の写真が飾られていました。

この３つの王位継承者の夫婦の写った写真にはどのような思いが含まれているのでしょう？

英王室のクリスマスメッセージは1932年、エリザベス女王の祖父ジョージ5世（king George V）が作家ラドヤード・キップリング執筆の文を読み上げたのが最初。エリザベス女王の初メッセージは1952年で、以来、英王室のドキュメンタリーが放映された1969年を除き、毎年の恒例となってます。また、終戦から７０年を迎え、戦没者や退役軍人らへ、改めて感謝の言葉を述べました。

女王は、今年９月に在位期間がビクトリア女王を超えて英君主として最長となった。来年の９０歳の誕生日を前に、「忙しい１年を心待ちにしている」と述べました。