21世紀の英国プリンセスとなるケイト・ミドルトン、今回の婚約は英国王室が現代化する大きな一歩。古い慣わしで、20世紀後半に至るまで多くの王族たちが人生を犠牲にしてきたのは記憶に新しいです。
たとえば離婚歴を持つアメリカ人の人妻ウォリス・シンプソンとの大恋愛で、ウィリアム王子の層祖父の兄に当たるエドワード8世は1936年に王位を捨てることとなりました。そのことで、エドワード8世の弟であった現エリザベス女王の父(ウィリアム王子の層祖父)が即位。大きな重圧に早逝し、エリザベス女王は20代前半の若さで即位することになります。
ウィリアムの大叔母に当たるマーガレット王女は、1950年代に離婚歴のある男性との結婚を反対され、破局させられました。そして ウィリアムの父、チャールズ皇太子とダイアナの結婚もまた、古いしきたりを強要する王室の慣習ゆえに破綻。
彼らの結婚はスタートからつまずき、15年後に離婚という結果に終わり、ダイアナ元妃の悲劇を招きました。
ダイアナ元妃は伯爵家の大邸宅で生まれ育ち、先祖は英国王と婚姻もあり、イギリス全土のほぼすべての貴族と血縁関係を持つような血統の持ち主。女子にとって大学教育はさして重要ではない、と考える上流階級の最後の世代に属していたこともあり、自らの身分と時代の流れに従って正統派の道を歩み、スイスでフィニッシングスクールに通い、ロンドンに数年間滞在し、上流家庭向けの保育園で保育士として働いて結婚。
当時の英王室はまだ、王位継承者の妻には過去に男性と付き合ったことのない処女を迎えたいと考えていたため、王位継承者に嫁いできたこれまでのすべての女性たちと同じく、ダイアナ妃もまた過去の恋愛歴がないまま結婚。
今回ケイトさんがダイアナ妃と何より異なっているのは、王子と本質的な「恋人付き合い」をしていたこと。
ケイト・ミドルトンさんは貴族出身ではなく、母は航空会社の元客室乗務員で、父は玩具やゲームの通信販売業で財を成した実業家(現在、ケイトはこの事業を手伝ってもいます)。上流階級の寄宿学校で学び、両親はイギリスの田舎に立派な家を所有。そして現在28歳のケイトさんは大学教育を受けています。英国王室初となる、学位を持つ王妃になる予定です。彼女が通ったのはスコットランドのセントアンドリュース大学。彼女はここでウィリアム王子と出会いました。慈善ファッションショーのモデルになってセクシーな姿を披露した彼女に、ウィリアムが一目ぼれ。
大学時代には他の友人も交え、アパートの同じ屋根の下で共同生活を経験。それ以来ケイトさんは、王家に嫁ぐ女性という立場からすれば十分すぎるほど、普通のカップルに近い付き合いを楽しんできました。
婚約発表の後、チャールズ皇太子はBBCの取材に「言うまでもなく感動している」「彼らはもう十分すぎるくらい長く準備を重ねてきた」と話しました。おそらく、心底からの言葉だったのかもしれません。
ヘンリー王子と♪
ロイヤルファッション
英衛星放送局BSkyBが、2011年4月29日に英ロンドンのウェストミンスター寺院で行われるウィリアム王子とケイト・ミドルトンさんの結婚式を、3D生中継することを企画していることが分かりました。
米ハリウッド・レポーター誌によれば、同社はまだ英王室との交渉を始めたわけではないが、英国内の劇場および3Dテレビを試聴可能な世帯向けの配信を前提に計画を進めているとか。
来年のウィリアム王子の結婚式は、世界規模でテレビ史上最高の視聴者数を獲得することが予想されています。すでに3D専門チャンネルを立ち上げている同社としては、この分野でのさらなる戦略拡大をはかりたい意向。
1981年7月29日、世紀の結婚
ちなみに、ウィリアム王子の両親であるチャールズ皇太子と故ダイアナ元妃の81年の結婚式のテレビ中継は、世界中で10億人近い人が見たとされています。