Desire. Defy. Escape.
主人公ダニエルはドリュー・バリモア Drew Barrymore。
いわゆる美人ではなくふくよかな体型のドリューですが、見直してみるとルネサンス絵画にでてきそうな顔立ちです。（私の専門分野なので...)
ヘンリー王子役にはダグレイ・スコット Dougray Scott。
継母ロドミラ役に『アダムスファミリー』のお母様でもおなじみのオスカー女優・アンジェリカ・ヒューストン。
レオナルド・ダ・ヴィンチもこのストーリーの大事な人物としてでてきます。
Ever after めでたしめでたし...そんな題名のこの物語。
シンデレラストーリーだけれど、王子様をただ待ち続けるというストーリーではありません。魔法も妖精もかぼちゃの馬車もでてきません。王子様にめぐり合い、その愛を勝ち取るには...自分の力で運命を切り開いていく、そんなストーリーです。
映画の冒頭、『陛下』と呼ばれる老婦人(ジャンヌ・モロー)が真実のシンデレラの話をするために童話作グリム兄弟を招きます。そして彼女のベットのそばにある美しい肖像画を見て語り始めます。
「むかしむかし...」
時はさかのぼり、16世紀。フランス。ダニエル8歳の頃、富農である父オギュードは新しい母親と姉妹を連れ家に戻ってきます。ダニエルははしゃぎ馬車に向かい走り出し、継母や義姉妹の前でコケテしまい泥だらけになってしまうのですが、貴族出身の継母は方眉を上げ姉妹にレディーらしく挨拶をさせます。
翌日用事でアビニヨンに出かける父は馬上で発作を起こし落馬、父オギュードは薄れる意識の中、最愛の娘ダニエルに「愛してる」と告げ還らぬ人になってしまいます。先妻そっくりの娘だけを見て去った夫。ロドミラの目は永遠に消えぬ嫉妬が...
10年後、ダニエルは美しく成長したのですが、継母ロドミラとその娘（長女マルガリート/次女、ジャクリーヌ）の召使のように...召使として働かされます。マルガリートは美しく、母にも愛されているのですが、癇癪もち。ぽっちゃり体型でその容姿について母や姉に嫌がらせを言われるジャクリーヌはダニエルの味方になりたいものの母と姉の前ではその素振りさえ見せることが出来ない。
一方フランス王子、ヘンリーはスペイン王所との政略結婚を嫌がり王城を抜け出します。そしてダニエルの父親の馬を盗み逃走しようとするのですが、偶然ダニエルがその場を発見。王子とは気づかず林檎を投げつけ命中。王子は落馬しますが、口止め料として金貨を渡します。
そしてそのお金でダニエルは性悪の継母が売り飛ばした使用人モーリスを救うべくそのお金を使おうとするのですが、使用人の洋服を着せられているダニエルは貴族の娘の格好に変身し、奴隷となったモーリスを救いに行きます。
そこで再びヘンリー王子に出会うのですが、美しく着飾ったダニエルを林檎を投げつけた娘とは気づかず、彼女はさらに「ユートピア」を引用し見事奴隷を解放させます。
そんなダニエルに引かれたヘンリーは彼女に名前を聞きますが、困った彼女はニコール・ド・ランクレ伯爵夫人と実母の名前を残します。
城に戻ったヘンリーを待ち構えていた王・フランシスは政略結婚の妥協案として5日後のレオナルド・ダ・ヴィンチを歓迎する仮面パーティーで意中の花嫁を発表せよ。と言います。
その噂を耳にした継母は長女マルガリータを王子の妃へと策略を立てるのですが...
レオナルド・ダ・ヴィンチと王子が湖で彼の開発した発明品を試していると無防備な姿で川を泳ぐダニエルにめぐり合います。2人は少しの間語り合いますがダニエルは家へ逃げ帰ります。そしてその後王子はダニエルの友人からニコール・ド・ランクレ夫人はロドミラ男爵夫人宅にいるとの話を聞きダニエル宅へ。
王子が来ると知ったダニエルはニコールに美しく変身し彼を迎えます。
そして王子に連れられ図書館へ行った2人。ダニエルは幼い頃父が読み聞かせてくれ、最後にプレゼントしてくれた本が「ユートピア」だったと告白。ダニエルの学問に対する情熱に、そしてジプシーに襲われつつも知恵と勇気で切り抜けるその姿に王子は惹かれます。
翌日舞踏会のためにダニエルの母親の形見であるドレスを身体に合わせていたマルガリートを発見し、殴ってしまいそれが原因となり彼女に父の形見「ユートピア」を暖炉に焼かれます。そして継母からはムチを打たれボロボロになりながらも王子との約束の場へ行く彼女。
貴族出身でないことを告げようとしながらもダニエルへの愛を語る王子に真実を告げられないまま別れる事に。
『ニコール・ド・ランクレ』の名から王子と恋仲になっている相手がダニエルだと知った継母は舞踏会へ行かせぬためダニエルを地下に監禁します。そんな中、ダニエルの友人がダ・ヴィンチを連れてやってきて天才のアイデアで抜け出すのです。
舞踏会に姿を現したダニエル。しかしその彼女を見た継母はダニエルが『自分の家の使用人』と叫びます。王子はダニエルに背を向けてしまい彼女は耐えられず雨の中ガラスの靴を落としながら走り去っていくのです。
続きは...確認してください。
白いドレスに羽を付けて仮装舞踏会に登場するドリューは、パールたっぷりのメイクでとてもキレイでした。存分に身分を越えた恋...嘘と誤解、思い込みと疑い、情熱と不安が入り混じります。継母が少しでも愛してくれていたかと問うダニエルに「靴に入った小石は愛せない」と返すシーンはたまりませんでした。
「シンデレラ」と言えばガラスの靴ですが、この映画に出てくるガラスの靴はオードリー・ヘップバーンの愛用したサルヴァトーレ・フェラガモ製（笑）
働き者で優しく、冒険心もあり勉強家で進歩的・・・自立した現代女性のようなシンデレラのも新鮮で良いとおもいます。
ひとつ言うのなら王子様が好みではありません（笑）
DVDのパッケージの人物と別人なんですもの（笑）