コロナ前、うちのスクールではこの時期になると老人ホームへの慰問のようなものがありました。

 

うちの学区には身寄りのない老人のための公的施設がいくつかあり、そこへハロウィーンの仮装を見せに行ったりサンクスギビングのお祝いをしたりクリスマスギフトを持って行ったり、全学年が何らかしていました。

 

中には、戦前戦中を生きてきたのでアジア人であるうちの子供に対してあからさまな敵意的なものを向けてきた人もいたらしい。そもそも、施設職員にそういうヤツがいたらしい。いやー、そいつ通報したいわ。

 

でも、やっぱり子供たちの訪問はうれしいものらしく、中には自分の家族に会えないであろうアジア人のうちの子供を気遣ってくれるお年寄りもいたらしい。

 

子供の頃に戦後の日本に駐留していて日本語で挨拶できるというお年寄りもいて、いかんせんうちの子供はその日本語がわからなかったなんて言うこともあったらしい。いやー、それはお恥ずかしいお話で、申し訳ない。。

 

あれから3年経って、今年はその行事が復活するのかなと思っていたのですが、どうやらまだ復活しない模様。

 

コロナ自体はもう収束せず共存するしかないと思っている私は、徹底した対策の元で再開するのではとぼんやり考えていたのですが、現実はそうもいかないらしい。

 

と思ったら別にコロナのせいではなく、単に職員が「めんどくさい」と言って反対しているらしい。まあ、格安老人ホームの職員なんてそんなもんか。でも、準公務員で結構いい待遇なんだけどね。

 

日本にいた頃にボランティアをしていた老人ホームは、施設長が慰問に対してとても消極的でした。その理由は、子供の熱量に当てられて具合が悪くなったり不穏になる人が少なくないから。普段一緒に暮らしているならまだしも突然見ず知らずの子供たちが来て、しかもザワザワされたら、特に認知症の人などは調子が狂ってしまう、と。

 

それを思うと施設職員の言うことはわからないでもないのですが、でも多分、あの人たちの場合はそっちのほうの「めんどくさい」じゃない気がします。

 

うちの子供がキンダーで訪問した施設のお年寄り達とはいまでもスーパーで顔をあわせることがあり、結構顔を覚えてくれていたりするので、こういう経験はやっぱり小さいうちにして欲しい。

 

このままこの行事がなくなるということはないだろうけれど、現時点では一部の学年が小学校で一度も経験することなく卒業することになりそうらしい。