最近、ある程度安定して経済が再開されてきたせいなのか、食品スーパーで買い物をする人が減りました。

 

なぜかというと、この町の多くの家庭は食事を自分で作らずにテイクアウトや冷凍品で済ませてしまうからです。だからレストランのテイクアウトに行列ができたり、ファストフード店のドライブスルーの列が異常に長くなってハンバーガー1個買うのに30分かかったりするようになりました。

 

一時期、いわゆる中食のような、全てお膳立てされていて自分はただ作るだけというタイプのものがとても流行って、ネットの定期購入のみだったはずがしれーっとスーパーの棚の一部を閉めるようになったりして、ある意味での自炊というのが定着したかのように見えましたがやっぱり定着しませんでした。

 

共働き家庭が毎食自炊するのは、かなり大変です。ほぼ無理というか、日本の子育て世帯で共働きの妻というのは、もはや虐待と言って良いほどに色々やらされすぎていると思います。

 

とはいえ、こちらはアメリカとはいえうちの町では料理をしない夫の方が大多数。そもそも家事をしない夫が普通。子供の相手くらいはするけれど台所で食事を作る男はゲイと呼ばれ、1970年代のアメリカそのまま。別に日本の妻だけが大変なわけではなく、アメリカでも田舎に行けば日本と同じです。

 

ただ、うちの町では専業主婦でも料理を作らない妻が本当に多い。そのことに罪悪感を感じないのは男女平等の意識があるからではなくて、彼らの親がそうだったから。逆に、親がちゃんと料理を作っていた家で育った人は、仕事をしていようがどれだけ忙しかろうが、ある程度出来合いのもので折り合いをつけつつも料理を作ろうという意識があって、ちゃんと作ることができます(味はともかくとして。これはもう、味覚の問題なのでどうしようもない。)。

 

 

最近、ジェイミーオリバーのネイキッドシェフシリーズを見るのが楽しみです。

 

大体15分くらいで作れる、とにかく最低限の材料と道具。材料は正直言って「そんなもんあるわけないじゃん!」というハーブや生搾りの柑橘などがあって、イギリス人どころかアメリカ人でもやらないだろうと思わなくないですが、そうは言ってもとにかく簡単で、小学2年生のうちの子供ですら「やってみようかな」と言うレベル。

 

それでもイギリス人は自炊をしない、と、先日見たテレビのインタビューでジェイミーは答えていました。

 

もしかしたら、我が家の小学2年生がジェイミーの姿に奮起させられたのは、私自身が自炊する親に育てられたおかげなのかもしれない。自炊が当たり前だと思う親を見て来たからかもしれない。

 

性別に関係なく、独り立ちすれば生きるために料理をせざるを得ないわけで。

 

うちの夫などはそういう概念のない母親に育てられたので、もし老後に独居となったら外食だらけで不摂生に苦しむか自炊できずに飢えに苦しむかのどちらかなのだろうなあと思います。