俺には友達がいない。

少ないではなく、一人もいない。

かつては親友と呼べる者も、そうでなくとも、よく遊ぶ友達は少なからずいた。

高校卒業後、海外留学をし、帰国。帰国後もしばらくはよく遊んでいた。

その後、友達を失った。失ったというより、自分から離れた。ウソに疲れて、また、ウソがバレるのが恐かった。

それからはよく女と遊んだ。異性は楽だった。人間性よりも異性としての魅力を優先してくれるからだ。

モテたと言えば語弊があるが、気に入った女には大抵好意を持ってもらえた。身長は高い方だが、顔は中の上。決して男前と言い張れはしないが、カッコいいと言われることも多少はある程度。

イジメを機に、他人を良く観察し、分析するようになった。相手が自分に何を求めているか、俗にいう空気を読む力が他人より長けていた。

その長所を異性に対しては大いに発揮できた。相手がどういう男が好きなのか、表情や、発言、仕草から、求めている男を演じられた。無駄なことは喋らない。謎を残しつつ、うわべをさらけ出す。常に器を大きく見せ、凛としながら清潔を保つ。

異性から求められると安心できた。自分の空虚さが満たされていく感覚。色を持たず、背景に溶け込めない自分に色を与えてくれた。

そうしてまたウソが外堀を深めていった。