おはようございます(・∀・)

 

四季折々の一条ハウスのチューニング方法を考えると、中間期は窓の日除け、夏は全館冷房(除湿)、冬は床暖房の冷気対策で完成とも言えますが、まだ終わりではありません。

 

格安に全館冷暖房ができるのか?という最後のハードルが残ってますヽ(`Д´)ノ

 

四代目は省エネ区分Ⅱ地域という寒冷地に建ちます。1月の平均最低気温はマイナス5℃、最低気温はマイナス13℃程度の場所です。電気代が怖い・°・(ノД`)・°・

 

今回、私はRAYエアコンを外して、夏の全館冷房用兼、冬の補助暖房として再熱除湿の付いた日立の寒冷地用エアコンを設置します。人生初の寒冷地エアコンであります。

 

 

さて、多くの方はエアコン暖房は不快で床暖房が最高と思っていると思いますが、それはエアコンの設置場所次第でしょう。床暖房=最高というのは新たな誤解の始まりかもです。

 

そして、エアコンは「外気が何℃を下回ると効率が落ちると」とか「外気温がマイナスだと霜取り運転で効率が下がる」というのは床暖房も同じですし、ちょっと誤解していると思います。

 

 

長府の床暖の製品仕様書をみていると、こんなグラフがありますが、このグラフをどう読むか次第ですが、間違って読んでいる人が多いと思います。

 

消費電力はすべて1500Wの状態で、7℃の時に6300Wの能力があるので、COPは4.2ということになります。

 

COPというのは成績係数といって、掛けた消費電力(1500W)に対して、どれだけの熱量(6300W)を生み出すかという、ヒートポンプ機器の性能を表す指標です。

 

外気温がマイナス5℃の能力は4500WですからCOPは3.0に下がります。この表だけみると、外気温が低いとCOPが下がって燃費が悪化するんだと早合点すると思います。

 

ただ、この表の前提は室温20℃との差ですから、外気が7℃の時は13℃差、外気がマイナス5℃の時は25℃差になり、ヒートポンプは室内外の温度差が大きいと燃費が悪化します。

 

要するに、外気温の低さが問題ではではなくて室温との温度差が問題です。ヒートポンプは1台で高負荷運転をすると燃費が悪化するため、他に補助暖房があれば前提が変わります。

 

室温と外気温との差における床暖房の燃費悪化という読み方が正しいのです。裏を返せば、温度差が大きいと燃費が下がるためヒートポンプの補助暖房を追加しろとも読み取れます。

 

北海道仕様では床暖に2台の室外機が付いているというのは、納得の仕様ですね。

 

では北海道以外では、床暖房の一番COPの良い7℃とは、室温20℃からみて13℃の差ですから、床暖房には13℃以内の室温上昇を負担させれば良いことになります。

 

つまり、外気温が7℃程度ということは初冬や春先は床暖房だけで運転してもCOPは良い状態なので無理に補助暖房を使う必要はないですよということです。

 

一方で厳冬期は外気温7℃よりも気温が下がる分だけ、床暖房と別系統(RAY以外)のエアコンに室温上昇を担当させると良いですよというメッセージです。

 

夜間や天気が悪い日など外気温がマイナス5℃の時、Q値1.0W、床面積100m2の場合、室温を20℃に保つには一時間あたり、2500Wの熱量が必要です。

 

Q値1.0W×床面積100m2×(室温20℃-▲5℃)=2500W

 

室温と外気温が25℃も違うため、床暖単体では燃費が悪いので、ここから床暖房に負担をさせる13℃を引くと12℃が残りとなります。

 

この12℃分をエアコンに担当させると良いわけです。例えばエアコンのCOPが4だとすれば、消費電力は300Wで運転すれば良いとなります。

 

Q値1.0W×床面積100m2×12℃÷COP4=300W

 

この時の床暖房の消費電力は310Wとなります。

Q値1.0W×床面積100m2×13℃÷COP4.2=310W

 

ただ、床暖とエアコンの消費電力が分からないとこのような芸当はできないので、HEMSなりワットチェッカーを付ける必要があります。

 

配線不要な200Vのワットチェッカーはこちらでしょうか。これ結構デカイですけどね。

 

 

つまり、外気温マイナス5℃で室温を20℃にするには、

 

床暖だけの場合は

Q値1.0W×床面積100m2×25℃÷COP3=833W

0.833kW×24時間×30日×@24円=14,394円/月

 

エアコン併用の場合は

床暖分 Q値1.0W×床面積100m2×13℃÷COP4.2=310W

エアコン分  Q値1.0W×床面積100m2×12℃÷COP4=300W

0.61kW×24時間×30日×@24円=10,540円/月

 

このように36%ほど電気代に差が出ます。一条ハウスの電気代が高いなと感じる原因はこのCOPの良いバンドを外して運転してしまっていることも一因だと思います。

 

自動車の運転と同じで、燃費の良い回転数のバンドの中でエンジンを回してあげると燃費が良くなるのはヒートポンプ機器も同じですね。

 

三代目の一階リビングの低い位置にはエアコンがあって、ワットチェッカーで見ていると100W程度で動いています。ま、寒冷地でないのでその程度の消費電力ですね。

 

エアコン併用で燃費が上がりますし、低い位置にエアコンがあると、足元に温風が流れてきて快適です。また、玄関方向からコールドドラフトを消してくれる位置に設置してありますから、一石三鳥となっています。

 

四代目は夏エアコン兼、冬エアコンなので残念ながら、高い位置にエアコンを設置しますが、エアコンからの風は人に当たらない場所に設置してあります。

 

工場見学でも、床暖房が善でエアコンは悪と紹介していますから、これらを併用するという発想が浮かばないと思いますが、そこは頭を柔らかくしてみてください。

 

まぁ、なかなか一軒目の家を建てる時にコールドドラフトやヒートポンプ機器のCOPまで意識して補助暖房を設置するのは思い浮かばないと思いますがお勧めですよ。

 

 

そして、ヒートポンプ機器は0℃~5℃程度の外気温が霜取り運転になりやすいですが、多くの方が気温がマイナスで運転すると寒冷地エアコンでないとダメだと誤解していると思いますが、そうではないです。

 

むしろ、氷点下の方が空気中の絶対湿度が低いため、霜が付き難くて性能があがるため、問題は1台のヒートポンプ機器の負担を減らせばよいということになります。

 

ここがごちゃごちゃになっている人が多いと思います。家の構造における気密層と防湿層の関係に近くて、分離して考えることも出来るのに一体として考えてしまう人がいます。

 

でも、そもそも霜の量を減らすにはどうしたらいいでしょうか?なぜ霜がつくのでしょうか?

 

ヒートポンプは室内を暖めるほどに、室外機は冷たくなるということなので、暖房機器の負担を減らせば室外機の霜を減らすということになります。

 

ということは、燃費向上のために床暖房とエアコンを併用すれば、1台の室外機に付く霜の量が減って、霜取り運転の頻度が減るはずです。

 

エアコンを併用すると電気代が上がると逆に考えてしまう人もいるでしょうし、エアコンの設置場所が良くなくて床暖房とエアコンを併用すると不快だという方もいるでしょう。

 

つまりは、夏季の全館冷房も冬季の補助暖房もエアコンの設置場所次第なのです。ここはこれまでのエアコンの使い方に捉われていると見えてこない部分でしょう。

 

でも、冬の高気密高断熱住宅の究極の姿はヒートポンプ機器の分散稼働や地熱の利用ですよ。まだまだ、一条ハウスは進化できます。

 

以上、四代目は9月下旬の引き渡しのようですの巻でした。:.゚ヽ(´∀`。)ノ゚.:。+゚