おはようでございまする(・∀・)

 

さて、本日も窓ネタです。私はオールシーズン対応型の高気密高断熱住宅にするには窓のサイズや窓の日除けが重要だと繰り返し述べてます。

 

日除けのない大窓を放置すると、高高住宅は春から太陽の熱で蒸し焼きになりますよ(;・∀・)

(出典:ガンダム ソーラーシステム)

 

では、どう設置すれば良いの?と疑問に思われる方も多いでしょう。F式の日射取得判定シートの簡易版シートで計算してみましょう。

 

なお、もう家を建てちゃったよという方はスダレ(シェード)などの設置をご検討ください。足場のある方はまだ間に合うかもですが、今回はこれから建築する方のために書いてみます。

 

一条工務店の場合、屋根の軒と窓の上端の間は25cm程度でした。また、庇(アーバルーフ)を設置した場合の窓の上端との距離は19cm程度でした。

 

よって、分かりやすいように間を取って窓の上端と日射遮蔽物の距離は20cmとして計算します。すみません、我が家はバルコニーがないのでバルコニーの場合が分かりません。

 

 

軒や庇は南側しか効果がありません。東西に大窓がある場合はスダレ(シェード)を付けてください。スダレ用の金具の設置位置は窓上端から20cm程度が最適でしょうか?

 

東西の窓のすぐ上にスダレの取り付け金具を付けると、日射が斜め上から入ってくるため、窓とスダレの隙間から日射が入ってきますから、金具はかなり上でも良いと思います。

 

また、アーバルーフの場合、出幅が50cmと90cmの二種類であり、1個10万円前後の高額オプションですが、メンテが必要で雨漏りの原因となるバルコニーを窓の日除けとして付けるより安いです。

 

 

ではまず、掃き出し窓です。窓記号でいうと119-71の4マスパノラマ窓です。必要な軒や庇の長さは68cmと計算されます。アーバルーフの場合は90cmが良いでしょう。

 

 

 

次に床からの高さが+782窓(窓記号だと24-45窓)です。必要な庇は44cmと計算されます。アーバルーフの場合は50cmが丁度良いですね。

 

 

 

最後に床からの高さが+1238窓です。必要な庇は31cmと出ますから、だいたい30cmです。うーん、ここに高額なアーバルーフを設置するのは勿体ないので、窓を小さくして日射遮蔽をしないか、スダレを付ける金物を設置すると良いのではないでしょうか。

 

 

 

 

設計士さんに矩計図(かなばかりず)を求めると屋根の軒の出幅がわかると思いますが、柱芯からの距離であり、窓は外壁の外側に付くので、少し計算が必要です。

 

通常は南下がりの屋根であれば雨樋が付きますから、i-seriesの場合は壁の厚み(19cm)と、軒先の雨どい(20cm)が同じぐらいの長さなので、上記の計算で大丈夫です。

 

 

話をまとめると、夏至(6月20日前後)に南側の窓に陽が入らなくするには、

 

屋根の軒や庇の出幅は掃出し窓は70cm以上(大窓は余裕をもって80cmは欲しい)、+782窓は50cm以上、+1238まどは30cm以上と考えて頂ければと思います。

 

簡単にいうと、日射遮蔽物から窓ガラスの下端までの距離の3分の1以上が軒や庇の出幅になればOKです。また、J2020のような小窓まで日射遮蔽はしなくてもよいでしょう。

 

高気密高断熱住宅では4月前後からオーバーヒートしますから、もう10cmほど余裕があっても良いでしょう。ただし、あまり軒や庇が出過ぎていると、冬に窓から入る日射量が減ります。

 

吹抜け部分の窓は南側に設けて、大窓でも屋根の軒を80cm以上にすれば、冬は陽が入って、夏至には直射日光が入らなくなります(部屋が暗いという意味ではありません)。

 

季節ごとに日射の角度が変わることから、日本では昔から軒や庇が窓から入る日射量を調整してくれていましたが、最近は軒や庇がない家ばかりです。

 

昔の家は窓の防水のために窓の上に庇が必ずありました。防水テープと透湿防水シートのお陰で窓周りが雨漏りをしなくなったため、新しい家では窓に庇が付かなくなりましたね。

 

高気密高断熱住宅が流行る前に、新しい日本家屋からは軒や庇がなくなってしまいました。ただ、それが後に高高住宅がオーバーヒートする理由になるとは誰も思わなかったでしょう。

 

軒や庇がないほうが建築コストが下がるため、軒や庇の無い家は「すっきりしたモダンなデザインの家」とごまかして販売されている気がします。

 

日本酒の辛口ってのも、炭でろ過してごかました味がないお酒の場合があり、世間で流行した時期がありました。「すっきり」って言葉に消費者が騙されちゃう事例でしょうか。

 

以上、「すっきり」は手抜きと同じ意味かもねの巻でした(・∀・)