瀕死のチョコを塾に連れていく。
新美先生に電話して駐車場から荷物を運んでもらう。
チョコを抱きかかえて教室へ入る。
玄関に入った時、昔チョコとシルバーが玄関に来た時、カリカリカリと爪がフローリングに擦れる音と共に
飛び込んできた光景が浮かんで涙が出そうになる。
新美君はいくつになっても教え子であるから、まさか涙を見せるわけにもいかず、そこはこらえる。
動かなくなったチョコに息があるうちに一緒に写真を撮ることにした。
新美先生がスポイトでわずかに開いたチョコの口からお水を飲ませてくれた。
飲むというより口の端を湿らす程度なのだが。
英語の長文、並べ替えで The dog running over there is Taro.というのが出てきた。
元気で走り回っていたチョコ、三年前亡くなったシルバーを思い出して泣きそうになったが、塾生の手前、いつも通りを装った。
チョコは何とかその日は持ってくれた。
明日の朝まで息はあるのだろうか、女房が自分の横に寝かせて見守ることにした。