イニシャルコストをケチるとあとから金がかかる件

 

 

 

 

 

2004年、40歳にしてバイク小僧時代から憧れ続けた12年落ちのドゥカティを手に入れたわけだが、ほどなくしてカスタムの道を歩み始めることになる。

 

DUCATI 900 SL は、フルカウリングに覆われたレーシーな雰囲気こそ醸しているものの、性能的なスペックは控えめで、さらにハンドルバーやステップなども実用的でゴツ目にできている。

そんな大人しさは、手に入れた喜びに目がハートになっている間は気にならなかったのだが、いつしかより強い刺激を求めるようになり、ついにはオークションなどで中古のカスタムパーツをむやみやたらと落札しはじめた。

 

やりはじめると、もう後戻りはできない。

「あっちをやるとこっちが気になる」的な泥沼にハマり、気がつけばエンジンのチューニングにまで手を染めていた。

 

DUCATI 900 SL が「いいバイク」であることには疑う余地はない。しかし、前述のとおり、同車種はいわゆる『スポーツバイク』であって、『レーサーもどき』ではない。

この程度のパフォーマンスが素人ライダーに扱える限界であるのは明らかだが、そこは背伸びをしたくなるのが80年代バイクブーム世代の性なのである。

 

 

 

▲ 改造しまくった最終形の 900SL 。最大の変更点は排気量が944ccになっていることだが、実は、それほどの大きな変化は感じなかったという。ハンドルバー、バックステップなどの定番パーツはもちろんのこと、FCRキャブレター、OHLINSフロントフォーク、SPONDONスイングアーム&TZR ホイール…などなどフレームと外装以外はほぼ手が入っている

 

 

 

DUCATI 900 SL とは足掛け13年間の付き合いとなった。

そして、最終的には外装とフレーム以外はほぼ手を入れたカタチとなり、その支払いコストは軽く100万円を超えてしまった。

我ながら呆れるばかりだが、イニシャルコストを抑えようとした結果がこれだ。

 

 

たとえ高額であっても、最初から仕上がった高性能なドゥカティを購入したほうが結果的に割安であることは明白である(あくまで主観)。

 

 

つづく

 

 

 

▲ 2004年当時、中古のスーパーバイクの狙い目は916シリーズだった。記憶があいまいだが、相場的には150万円程度ではなかったか(モデルによる)。DUCATI 900 SL への支払総額を考えれば、十分手が届く範囲だった(画像出典↓)