俺の朝は早い。
なかなか起きない主人との戦闘のために。
すっかり見慣れてしまった赤と紫の廊下に出て、
自室の扉を閉め、
ぱっと左を向けば、もう主人の部屋。
扉の前までは、いつもみたく背中を丸めて歩くが、
俺の部屋より一回り大きい扉の前に立つと、
自然に背がピンと伸びる。
‥‥‥、何やってんだか‥‥‥、俺‥‥‥。
もう一度扉にしっかり目を向ける。
赤茶色の扉が俺を見下してくる。
ふ、と息を吐いて。
いい音がするように、
手首のスナップを効かせて扉を叩く。
ちょっと手が痛い。
「アルベルト様、朝です」
声をかけても返ってこないのは予想してた。
だけど、
「アルベルト様」
手に力が入る。
声が大きくなる。
手が痛い。
「起きろてめぇえええっ!」
思い切り高そうな扉を殴る。
手がいてえ。
案外簡単に開いてしまった。
大丈夫か、これで。
まあ、この世界なんでもありだ。
大丈夫だろう。
「おい」
赤いロン毛がごそごそ動く。
でけえベッドから垂れて、
さらに床にも垂れている赤い毛を踏むが、
とっても残念なことに、髪には神経が通っていない。
「うぅ‥‥‥、あー‥‥‥」
相手は唸りながら、
見ただけで柔らかそうな枕に顔を押し付ける。
「起きろ‥‥‥っつってんだろカマ野郎!」
「カッ・・・!?カマじゃないいよっ!」
なぐりてえええええ
超なぐりてええええ
「やっと起きたか‥‥‥」
ガバリと音を立てて起き上がったこのカマ野郎・アルベルトは、
普通‥‥‥?の学生執事の俺・桜司の主だ。
いや、別になりたくて執事になったわけじゃないけど。
「ぶー、ショージ君はケチだなあ」
「ケチの使い方間違ってんじゃね? あといい加減ジョージってやめろ」
俺の名前はオウジだっての‥‥‥!
無理矢理剥ぎ取った掛け布団をたたみながら、
主人には目もくれず、仕事をテキパキと進めていく。
「ショージ君、僕、こんな格好のままじゃ部屋の外に出られないよ」
両手をこちらに向けて微笑む俺の主人、かつこの世界のお偉いさん。
俺から見れば、そのネグリジェも見せびらかしたいくらいだけどな‥‥‥!
いや、着たいとかじゃないけど。
「自分で着替えろよ」
シーツも全て剥ぎ取られても、
なお寝心地の良さそうなベッドの横にある、
小さい机に主人の服を置く。
服はきれいに畳んであり、
できるだけコンパクトに収まっているが、
重い。そこまで着込む必要あるのか。
新しく持ってきた、真っ黒のシーツをベッドの上で広げる。
バッと気持ちのいい音がした。
「やだー、ショージ君、僕の執事さんでしょ?」
未だ、枕を離さず
抱きつきながら俺にひたすら視線を向けてくる主人。
いい年したおっさんが何言ってんだか‥‥‥
いや、いい年でもなんでもなかった。
おっさんじゃなくておじさんだった。
いや、おじいさんだ。
「‥‥‥、ショージ君?」
「上目で見てくんな気持ち悪い」
いつの間にこんなに近くに来たんだこいつ。
こいつと俺の年の差は‥‥‥、
1200くらいだろうか?
え?俺?ピチピチの16歳だよ?
このロン毛?
1200歳とかそれくらいじゃね?
「ねー、早く着替えさせてよー、ねえー」
「るっせえ」
外見は20歳くらいに見えんのにな‥‥‥
口尖らしても可愛くねえから。
1200歳のじじいだから。どう頑張っても。
何かムカついたから、
部屋のでかい窓からの光を遮ってるカーテンを跳ね除ける。
眩しいわけはない。
赤い空に黒い太陽。
うん、今日も晴天だ。
相変わらず、魔界の朝はわかりにくい。
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これ・・・、ノート3ページ分だけなんだぜ・・・?
長いよおおおおおおおおお!!
そして、吸血鬼屋敷組が出てきたらR-15のターン。
まだ・・・出ない・・・、はず!
とりあえず、プロローグみたいなかんじで!
長くなったけど!あはは!
詳しい話は後ほど、後ほど。











