※これは決して怪しい記事ではありません。
世間話で、こんな奇妙な噂を耳にしまして……。
昔、ある大学に一人の男子学生がいました。
仮に彼の名前を「僕」としておきましょう。
その「僕」が、学生時代にある日、
うっかりノートの隅にちょっとした
「エロな落書き」を描いてしまったそうなんです。
所謂、若気の至りというやつですね。
ところが運悪く、それが教授連の目に留まり、
「神聖な学び舎でなんという破廉恥な!」なんぞと散々な嫌がらせに遭い、
果ては大学ノートごと吊るし上げを食らって、
学校を追われる羽目になってしまったという、
なんとも理不尽で気の毒な修羅場があったそうですよ。
……と、此処いらまでは、ただの悲劇なのですが。。
本当に奇妙(というかシュール)なのは此処からで。
その吊るし上げを食ったエロ画を、なぜかものすごく熱心に見つめていた一人の女教授がいたんだそうで。
年齢は完璧すぎるほどのオールドミス。
分厚い牛乳瓶の底みたいな眼鏡をかけた、
「鹿爪らしい顔」というのの見本みたいな、
一見、ジョークになりそうで、
実は、一瞬で背筋を凍てつかせる顔の持主。
ところが、その事件以降、女教授の態度が
コロッと180度、翻ったんだそうでね。
なぜか「僕」に対して、事あるごとに度々、
妙に距離を詰めて
擦り寄ってくるようになったんだそうで。
瓶底眼鏡を怪しく光らせ、
「あのノートの続きは……?」
とでも言いたげな、滴るように執拗な視線。
追放しておきながらその実、
エロ落書きに一番執着し、遂には異常行動を連発し出したのは誰あろう、女教授だったのだ……
……なんぞという、
滑稽極まりないオチがつく噂話です。
いやはや世の中というところは時として、
実に奇妙な人間模様が存在する所のようです。
やんぬるかな…
人間の「業(ごう)」とは。
更に、隠された執着というものは。
時として、とてつもなく
おかしな行動として表れるようです。
どうかくれぐれも、
皆さんも、忌まわしき過去の亡霊による、器に見合わぬ理不尽な執着にはお気をつけくださいね。
(おわり)
※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。

