TPG発足から一大暴動になった事件の少し前、そしてマサ斎藤と猪木の巌流島決戦の後、実は今後のプロレス界の流れを変える大きな事件の発端の現象が起きました。
それが「前田顔面蹴撃事件」でしたね。
世代抗争が終わりをつげ、自然な流れで、旧UWF、旧ジャパンプロの対抗の図式の試合が組まれていきました。 ただ、盛り上がりに欠けマッチメーク上、一緒に組ませられない感じの宙ぶらりんの感じが続いていました。
今から考えると、もっと殺伐としていなければおかしかったのですが、そこに突然、この “事件” が勃発しました。 ただ今から考えても事件と言えるのか? 単なるプロレスの範疇の中の事故ではとも言えるんですがね。
1987年にジャパン勢が帰ってきて、正規軍との3派抗争となる図式はありましたが、その中でことは11月19日の後楽園ホールで起きました。 ジャパン勢はマサ斉籐、長州力、ヒロ斉藤、UWF勢は前田日明、木戸修、高田延彦。 シチュエーションは長州が木戸にサソリ固めに入ろうとした時に顔面にミドルキックを入れた瞬間でした。
確かにサソリ固めは、両手を相手の足を絡めるため全く使えない状態、そして斜め後方からなんで長州には前田の足は死角になっています。 要するにまったく無防備な状態という事ですね。
ただ前田自身は蹴る前に、長州の体をタッチして「蹴るよ」という合図を送ったと証言しています。 動画を観てみると、確かに体に障っていますが、間髪入れずキックが飛んできており、これは避けることができない。 そしてあえて顔面に入れています。
故意かどうかはさておいて、いずれにしても、相手を怒らせる行為であることは間違いなく、抗争をヒートアップさせるためとも言えますが、不器用な前田と、受けの下手な長州の二人が引き起こした事故とも言えますね。
プロレス的に言えば、こういう場合は相手の胸にキックを入れるとことですが、サソリは掛ける側が足をロックするため一瞬屈んだような格好になる。 だから胸にキックを入れるのがかえって難しい し、顔面にキックが入りやすいとも言えます。
そして前田の特徴は長い脚から繰り出す重いキック、頭の良いヒールだったら、思いっきり正面から張り手でしょうが、その辺りは不器用な前田、芸が無い(^^)
あっという間に長州の顔は腫れ上がり、右前頭洞底骨折の全治1か月の重傷を負い、顔は無残な状態になりましたね。
ただ、これは故意でなかったら事故、普通はプロモーター側、会社側から故意であったかどうかを貧人に確認して、謹慎等の処分を決めるんですが、ここで猪木が、やはり前田が煩わしかったんでしょうね、なんとも奇妙な言い方で解雇してしまうんですね。
「プロレス道にもとる」?そんな言葉があるんかい?