【リヤカーのおっちゃん】
大阪の南船場という地区には、かなり数のリヤカーのおっちゃんがいます。
何をしているのかというと、会社から出た不要な段ボールや紙を回収し、
何キロも離れた通天閣の近くまで運んで業者に売りに行くのです。
私の商売、それは包装資材の販売。
包装資材とは、簡単に言うと、
段ボールやテープやプチプチのことです。
私は、いらなくなった段ボールが溜まれば、
買い取り業者に持って行かずに、このリヤカーのおっちゃんにあげてます。
ちなみに、現在の買い取り価格1kgあたり6円らしいです。
一昨日、私はおっちゃんに、
「おっちゃん、この辺も段ボール昔に比べて出んようになったんちゃうん?」と
聞きました。
すると、おっちゃんは、
「そうやなぁ~。だいぶ減ったなぁ。でもな・・・」と言いました。
その後の言葉に私は「えっ?」と、ツッコミを入れてしまいました。
「でもなぁ、ワシのお客さんはホンマありがたいことに
そんなことないねん。いつも仰山もうてるねん」と。
それもすごく笑顔で言いました。
真っ黒な顔だったので余計に、白い歯と目が目立ちました。
「かなり悪いこの地域でも、いっぱいあるん!?」ということではなく、
このおっちゃんのある言葉にツッコミを入れてしまったのです。
「お客さん」
そう、この言葉です。
実際、会社的には段ボールをタダで持って行ってくれるから、
このおっちゃん達の存在がありがたい。
けれど、大半の会社は、このおっちゃん達のことを何とも思っていません。
また、段ボールを使っていない会社では、
景観が悪いということで、おっちゃん達を毛嫌いする方も多くいます。
会社からしたら、単なるリヤカーのおっさん。
もっと悪く言えば、ホームレス。
まだまだ社会に受け入れられていない存在。
そのような方が、段ボールをくれる会社に対して、
「お客さん」と言ったのですね。
私、社会の構造とか、そのような難しいことはわかりません。
ただ、このおっちゃんが「お客さん」と言ったことに1番衝撃を受けました。
「この想いがあるから、このおっちゃんは色々な会社から、
段ボールを貰っているんだなぁ」
そう感じました。
身なりはみんな一緒。
所々破れた作業着を着て、髭は無精髭。
髪はボサボサ。
洗濯をしていないのでしょうか、汗の酸い匂いが、ぷ~んとします。
顔や腕は、日焼けでか、汚れでかわからないくらい真っ黒。
一区画先のところでも同じようなおっちゃんがいましたが、
夏バテなのか、今の現状が悪いからなのか、気力がないように見え、
リヤカーには段ボールがあまり積まれていませんでした。
私が話したおっちゃんは、段ボールを貰える会社に対して、
「お客さん」と思っているから、その想いが伝わり、
段ボールを貰っているのではないか、そう思える出来事でした。
私はこのおっちゃんに「お客さん(様)」という言葉を
学ばせて頂きました。
また、段ボールが溜まったら、
このおっちゃん指名で引き取ってもらうつもりです。
私もこのおっちゃんのように、
「何かあったら、またあの髭社長に!」と思ってもらえるように
日々精進しないといけないなと思いました。
おっちゃん、夏バテせんと頑張れよ~!