そこから試合は膠着した。
ラインを下げ、8人でブロックを作り、ボールに行かずにスペースを消す名古屋。
ボールを奪わずに、確率の低いフィニッシュを選択させることでゴールを守る。
大阪は圧倒的なポゼッションを取っていたが、持っているというよりは持たされている印象を与えた。
対する名古屋も、8人で守るため、攻撃時に選択肢が少ない。
司令塔であるイヴァンに渡した後、サイドが上がるまでの時間がかかりすぎた。
人数で不利な名古屋の攻撃も危険なものにならない。
双方に手詰まり感がでたまま前半25分。
これまで同様、大阪はボールを保持し、ゆっくりと右サイドを上がっていく。
名古屋もこれまで同様、取りに行かずにラインを引く。
名古屋CBリオは、ラインに注意を払いつつ、大阪のボール回しを目で追う。
名古屋守備陣は、大阪の攻撃に慣れていた。
ラインの前でならいくらでも回させていい。
裏さえ使われなければ、問題ない。
リオも、今回の大阪の攻撃に怖さを感じない。
しかし、違和感があった。
パスのテンポが遅い。
なぜだ?
違和感を感じながら、リオはボールを目で追う。
これまで同様、近藤の縦パスでスイッチが入る。
リオと名古屋の左SBの隙間、ほんの2~3mの間に二海が入り込む。
そこで近藤の縦パスを受けた。
わざわざ、こんな狭いとこ使うか・・!?
リオとSBが体を寄せる。
168cmしかなくフィジカルも強くない二海は、2人のプレッシャーであっけなく体勢を崩した。
そこで、ついに名古屋はボールを奪いにいく。
体制の崩れた二海の足から離れたボールに、SBが食いつく。
その瞬間、倒れかけている二海の足が伸び、ボールに触れた。
食いついた左SBの裏を、倉井が狙う。
そこに二海のヒールパスが走った。
しまった・・・・!!
ついに、大阪が名古屋ラインの裏を取った。