つい先日、釣り仲間さんから神奈川県内でコンジンテナガエビが釣れたと言う情報が届きました。
コンジンテナガエビと言えば俗に言うホンテナガエビよりも大型化する種類で主に東南アジア域、日本では静岡県以南西に生息、沖縄県や南九州ではホンテナガエビよりもコンジンテナガエビの方がやや勢力が強くハサミの先にノコギリクワガタを思わせる湾曲、突起があるのが特徴です。
こちらが今回寄せられたコンジンテナガエビの釣果の写真です。
※場所、人物の特定ができない様に画像を加工しております。※
このコンジンテナガエビもテナガエビと同じように幼生期を海で過ごし少し育ってからは繁殖行動を行う河口や汽水湖に移動して過ごすのですが神奈川県で釣れた理由としては恐らく徐々に気温、海水温が上昇してきている影響かと思われます。
実は今回気になっているのはこのコンジンテナガエビそのものではなくて、更に南方系の種類であり、更に更に大型種である『通常タイエビ(オニテナガエビ)』なんです。
と言うのも日本の自然環境下では生息や繁殖が難しいのですがコンジンテナガエビが自然下で繁殖できているのであれば秋冬の間にほんの少し手を加えてやれば日本でもいけるんじゃないの?!なんて安易に思って1人で盛り上がっちゃった訳です。
↓これがそのオニテナガエビです!
どうです?!大きいでしょ?!カッコいいでしょ?!
挟まれるとノコギリクワガタのメスに挟まれるくらいは普通に痛いので釣れたら挟まれる前にハサミをもぎ取っちゃうんですが上の写真はもぎ取った後の図。
台湾やタイにはこのオニテナガエビを釣らせる釣り堀が点在していて昼夜問わずかなりの賑わいを見せているんです。
上の写真のように6年ほど前に僕と嫁ちゃんも台湾に旅行をした際にこのオニテナガエビの釣り堀を体験してきたんですが、とにかく楽しかったんです。
ビール片手に糸を垂れて、釣れればそのエビをその場で串刺しにして焼場で焼いて食べれば更にビールが進んでしまうと言う無限ループ!
塩味に飽きれば少しお金を払えばこんな感じで好みの味に調理もしてもらえます。
釣り方にもかなりコツがあってただ闇雲に釣っていてもなかなか釣れず、初めての人と通い詰めている常連とでは1時間で数十匹は釣果に差が出ると言う技術介入要素もあってその上、例えるのであれば『日本のホンテナガエビ釣りをしていたらフッコがそのテナガエビを食った』くらいの引きの強さもあり、そして何より超美味しい!
『なにこれ!?超面白い!これ、日本でもしあったら流行っちゃうし通っちゃうな!』と思ったのが実際に体験してみた率直な感想でした。
日本でやりたいな、からのネットサーフィンを幾度となく繰り返したんですが日本国内でオニテナガエビを釣れるところは東京都は吉祥寺にある『CATCH & EAT吉祥寺店』と青森県弘前市にある『相馬えび等養殖組合』の二箇所のみの様です。
CATCH&EATは金魚や鯉が泳いでる澄んだ水の浅い水槽の底にいる姿の見えているオニテナガエビまで餌を沈めて初めて勝負が始まるタイプです。
実際に挑戦しましたが金魚や鯉に邪魔されて一度も餌がオニテナガエビまで到達せず金魚さん達を50匹くらい釣って1時間終了…
釣れなくてもオニテナガエビのグリルを1匹頂けるのですがやっぱり旨い!
…でも台湾で味わったオニテナガエビ釣りの楽しさは失礼ながらこれとは全然別物…
相馬えび等養殖組合では餌を付けずに目視でオニテナガエビの体に針を上手く引っ掛けて釣り上げるスタイルの様です。
これもやっぱり台湾のオニテナガエビとは全く釣り味が違うでしょうね。
んで、ないなら作っちゃう?!なんて考えたりもしたのですが洋食で珍重される大型えびの為東南アジアから輸入しようとすると調べ始めた4年前当初で1匹700円×最小ロット500匹、輸送料も驚くべきものでした。
500匹しか放てないのではなかなか釣り堀としては盛り上がった釣果にはならないでしょうし1匹700円もするのでは家賃、水槽の維持費、人件費なども考慮するとお客様から1時間でいくら頂けば採算が合うのでしょう…
こりゃ無理か…と意気消沈…
ところがここ近年、日本国内でも安定養殖に成功したと言う例が出てきたんです!
山梨県の人材派遣会社が立ち上げたオニテナガエビ養殖プロジェクトが法人化されるところまで行ったとの事!凄いです!
株式会社 陸作 http://rikusaku.com
そして、もう一方の安定養殖成功例が日本のオニテナガエビ釣り堀2拠点の片棒を担いでいる青森県の相馬えび等養殖組合です。
本州北端に位置する青森県で成功しているなんて意外でしたが十和田温泉などの温泉水や熱源を上手く利用しているとの事でした。
失敗を恐れず、大変な努力と工夫と重ねられた結果だと察しますので心より敬意を表したいと思います。
関東でのコンジンテナガエビの釣果、日本国内でのオニテナガエビ養殖成功…
いち釣りバカサラリーマンでも何かできないかな?と言う夢を見させて頂くに充分な出来事でした。
あとは一歩を踏み出す勇気なんですよね〜。
【追記】
調べていく中で湯布院の『釣り堀フィッシングゆふ』でもオニテナガエビ釣りが楽しめる様ですね。
なるほど、釣れた分買取制かぁ。
エビの姿が目視できる所が台湾のそれとは違いますが、相馬えび等養殖組合やCATCH&EATと比較すると1番台湾のスタイルに近いですね^_^
海老の釣り堀と言えばオマール海老や伊勢海老を釣らせる千葉県富里市の室内釣り堀『コリュッシュ』が有名ですが実際にやってみると
①海老を目視できない。
②岩やネットなどのストラクチャーがあって根掛かりもするがそこを果敢に狙う事で釣果に繋がる
という点で釣り味としてはコリュッシュが台湾のエビ釣りの釣り味に近かったかな?
何にせよ海老釣り、めちゃ楽しいですね!